【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の故金正日(キム・ジョンイル)総書記の長男、正男(ジョンナム)氏に対するテロ指令を受けたとする北朝鮮国家安全保衛部所属の工作員が、韓国で懲役4年の実刑判決を言い渡された。ソウル中央地方裁判所が5日、明らかにした。
 この工作員は、中国で北朝鮮脱出住民(脱北者)捜索などの工作活動を行った後、脱北者を装って韓国に潜入した罪(国家保安法違反など)で起訴された。
 判決は、北朝鮮に息子がいる被告が保衛部の脅しと懐柔により工作員となった経緯は酌量する余地があり、また、韓国潜入直後に身元が割れると、犯行をすべて自白し捜査に協力したと指摘。しかし、「中国内の脱北者が北朝鮮に強制送還されれば命まで脅かされかねないと知りながら、所在把握と送還の任務に加担し、彼らの自由と人権を著しく侵害した」とした。
 さらに、「韓国に定着していたならば、国の存立と安全に重大な脅威となる具体的な行動を起こし得たことを考えると、厳重な処罰が求められる」と強調した。
 工作員は中国で活動中、正男氏へのテロ指令を受け、交通事故に見せかけて正男氏に危害を加え、北朝鮮に移送する計画も立てた。しかし、正男氏が中国に入国しなかったため、実行には及んでいない。
 裁判所関係者は「被告が中国で脱北者の人権を著しく侵害したという事実を重点的に考慮した判決」と説明した。

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