政府は10日、保健福祉部、教育科学技術部、雇用労働部など関係官庁合同でこうした内容の「第2次低出産・高齢社会基本計画(2011~2015)」案を策定し、与党・政府会議で報告。14日の公聴会を経て最終確定することにした。
ただ、同案は所要予算などが明らかになっておらず、すでに実効性を疑問視する声も上がっている。
計画案は、少子化克服のためには仕事と家庭が両立できる文化が重要だとの判断から、育児中の労働者に労働時間の短縮請求権を与えることを決めた。これまでは労働時間短縮を認めるかどうかは事業主の裁量に任されていたが、今後は特別なケース以外でも時間短縮を認めるよう義務付けられる。労働時間短縮制度を利用した労働者には、育児休業給付金の一部を、時間短縮の割合に応じ支給する。週40時間の労働者が10時間短縮する場合、育児休業給付金の4分の1を受け取ることになる。
残業や休日の労働に賃金を支払う代わりに、その分の時間を育児期に利用できる、「労働時間口座制度」も新たに設置する予定だ。
育児休業給付金は、50万ウォン(約3万6000円)の定額制から、100万ウォンの限度内で休業前受領を賃金の40%とする方向で、上方調整する。育児休業時の健康保険料軽減額も拡大する。このほか、労働時間の短縮や育児休業で生じた空席を埋める人材として、引退者の人材プールを活用するなどのシステムを開発する。
保健福祉部は、第1次計画では共働き夫婦、ベビーブーム世代への配慮が足りず、保育など特定領域に偏っていたが、今回は、段階的に出生率回復の基盤を構築し、高齢社会に備えた対応体系を確立することに焦点を合わせたと説明した。
このほか、妊娠中に緊急事態が発生した場合、出産前後休暇を分割して使用できるよう制度を設ける。職場内の保育施設設置義務を守らない企業や機関は名前を公開する。
子女数が多い家庭に対する社会的優待を拡大するため、来年以降に出生する2人目の子どもから、高校授業料を全額支援する。第2子以上の大学生には、国家奨学金を優先的に支給する。
現在は所得下位50%までとなっている保育料全額支援の対象を、2012年までに段階を踏まえ所得下位70%まで拡大する。共働き世帯の所得算定基準について、夫婦合算所得の25%を減額することも今回の対策に盛り込んだ。
3人以上の子どもがいる公務員は、定年退職後も子ども1人当たり1年ずつ最大3年まで、再雇用される。子どもが多い家庭は住宅購入資金融資の利子率が4.7%から4.2%に引き下げられる。
結婚奨励に向け、軍服務中の現役兵に子どもが生まれた場合、自宅からの通勤で服務する常勤予備役への編入資格を与える。
評価認証の結果、「優秀」の等級がついた保育施設は、国公立施設に準じた運営費支援が受けられる公共型保育園や、保育料を保育園と保護者間の話し合いで決定できる自律型保育園に転換することを認める。ベビーシッターサービスの拡大も進める。
高齢社会対策としては、ベビーブーム世代に焦点を当て、退職年金未払額の所得控除限度額を、現行の300万ウォンから400万ウォンに拡大する。新設事業場には退職年金を優先的に設定させる。来年1月からは、農村に居住する高齢者の貧困を予防し所得を補てんできるよう、農地を担保に年金を受け取ることができる「農地年金」も導入する予定だ。高齢者の保健適用範囲の拡大、高齢者用地賃貸住宅の割合拡大なども進める。
このほか、ベビーブーム世代にさまざまな労働機会を提供する措置として、賃金ピーク制導入の活性化、シニア起業支援、退職科学技術者の中小企業再就職支援なども行う予定だ。
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