特任長官に内定した李在五氏=8日、ソウル(聯合ニュース)
特任長官に内定した李在五氏=8日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル8日聯合ニュース】李明博(イ・ミョンバク)大統領は8日午後、大規模な内閣改造を行い、李大統領の側近として知られるハンナラ党の李在五(イ・ジェオ)議員を政務と対北朝鮮関係を担当する特任長官に内定した。
 「政権の2番手」「実勢」「親李明博派の座長」とも言われる李在五氏は、7月の国会議員再・補欠選挙で当選し国会に復帰。さらに復帰から11日で2度目の跳躍を果たし、名実ともに政権の中心に返り咲いた。
 李在五氏の入閣は、与党内での位置や特任長官が持つ政治的比重を考慮すると、単純に1人の実力者が入閣した以上の意味を持つ。任期後半を迎える李明博政権の発足に大きな役割を果たした「功臣」が政権の前面に出ることで、今後の国政運営の変化を見定めることができそうだ。

 李在五氏は就任後、前任者やほかの長官に比べはるかに強い権限を持つことになると予想される。職制上は首相直属だが、多少経綸に欠ける40代の金台鎬(キム・テホ)前慶尚南道知事が首相に正式に就任すれば、これを補佐するとともに、李大統領と緊密に協力し、与党・政府・青瓦台(大統領府)の統合調整役を担うとの見方が強い。政権後半期の運営と次期大統領選の勝利に向けたグランドプランを練る役になるのではというものだ。
 すでに与党ハンナラ党内部では、4大河川再整備事業など政策懸案だけでなく、与党陣営の再整備、党と青瓦台の疎通、憲法改正や権力構造の改編、選挙区制の見直し、保守勢力の結集、南北関係など政治課題と関連し、李大統領が李在五氏に「特別任務」を与えるという話が取りざたされている。
 また、李在五氏を仲介役に、与党、政府、青瓦台の関係はさらに緊密になるとみられる。政権2番手が入閣し背後で統合調整役を務めれば、3者の会合などもより活性化するとの見方だ。李在五氏個人としては、国民権益委員会長在職時に注力した不正根絶にも力を傾けると予想される。
 李在五氏は30年間民主化運動に加わり、5回にかけ計10年間を刑務所で過ごした在野出身で、李明博政権誕生に最も貢献した人物に挙げられる。李大統領とは1964年、韓日会談反対デモで知り合い、その後は違う道を歩んできたが、1996年に第15代国会議員総選挙で初当選し、政治的パートナーに発展した。
 李大統領が2002年にソウル市長選挙に出馬した際は選挙対策委員長を務め、2007年のハンナラ党公認大統領候補選出選挙では選挙運動を指揮し、最高実力者として浮上した。しかし、2008年の第18大国会議員総選挙では、党公認選問題や政権に対するけん制論が台頭し、落選した。
 10か月間の米国留学を経て、昨年9月に国民権益委員長に就任。政権復帰への意欲を示し、ことし7月の国会議員再・補欠選挙で当選し、2年3か月ぶりに国会に復帰した。野球帽とTシャツ姿で自転車に乗り選挙運動を行い、「自転車議員」の愛称で親しまれた。また、10年間高校教師を務めた経歴から、「国語先生」とも呼ばれる。



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