ワシントンにある朝鮮戦争戦没者慰霊碑を訪問した韓米首脳夫妻=(聯合ニュース)
ワシントンにある朝鮮戦争戦没者慰霊碑を訪問した韓米首脳夫妻=(聯合ニュース)
【ワシントン聯合ニュース】米国を国賓として訪問していた韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が29日(米現地時間)、7日間の訪米日程を終え帰国の途に就いた。ワシントンに3泊4日、ボストンに2泊3日して精力的にスケジュールをこなした。韓国大統領として12年ぶりに米国を国賓訪問した尹大統領は、今年70周年を迎えた韓米同盟をアップグレード(格上げ)することに最も注力した。 尹大統領は同盟を、これまでの安全保障と経済だけでなく、サイバー・宇宙分野などでも積極的に協力する「グローバル同盟」に引き上げようとした。何よりもバイデン米大統領と「ワシントン宣言」を発表。これは北朝鮮の核脅威が高まるなか、核を含む戦力で米国が韓国を守る拡大抑止を強化するもの。韓国大統領室は、ワシントン宣言により戦略的安保同盟の拡大抑止が画期的に強化されたと評価している。 尹大統領は訪米中、ホワイトハウスでの国賓夕食会、米航空宇宙局(NASA)ゴダード宇宙飛行センター訪問、米上下両院合同会議での演説など意義深い日程をこなした。 韓米同盟70年の歴史を象徴する特別な日程も目を引いた。ワシントンではバイデン氏と共に朝鮮戦争戦没者慰霊碑を訪問。同盟の意味を改めて浮かび上がらせた。米国防総省を訪れ、米軍の指揮官らから報告を受けたことも異例の待遇だった。ボストンでは韓国の現職大統領として初めてハーバード大で演壇に立った。 ◇最大の成果「ワシントン宣言」 核共有巡り食い違いも 今回の訪米で最大の成果とされるのがワシントン宣言だ。26日に会談を行った韓米首脳は共同声明とは別に同宣言を発表。宣言は拡大抑止に関する協議体「核協議グループ(NCG)」の新設を柱とする。次官補級の協議体・NCGは、核に特化した韓米間初の高官級の常設協議体だ。 NCGは米国が北大西洋条約機構(NATO)と運営する「核計画グループ」(NPG)を参考にした枠組みとされ、核兵器を搭載できる戦略原子力潜水艦など米戦略資産の朝鮮半島展開の頻度を増やすほか、核危機の状況に備えるための机上シミュレーション訓練など具体的な拡大抑止の実行策が盛り込まれた。 尹大統領はハーバード大の演説でNPGと異なり2国間によるNCGは実効性に優れると紹介。韓米相互防衛条約が核を含む概念に格上げされたと強調した。 ただワシントン宣言を巡っては早くも韓米間で解釈の食い違いが生じている。韓国側が「事実上の核共有」と発表したのに対し、米側はすぐさま「核共有ではない」と表明した。これを受け、韓国の大統領室関係者は「『事実上の核共有』は一種の修辞的な表現」と釈明した。◇米議会演説では自由を強調 外交姿勢鮮明に 今回の尹大統領の訪米を機に韓米同盟の概念は多角化したと評価される。朝鮮戦争の際に血で結ばれた軍事同盟は、先端技術や経済安保、サイバー・安保などに広がった。 特に同盟の舞台が世界へと広がったことは注目に値する。朝鮮半島の完全な非核化という対北朝鮮問題の枠を超え、気候危機への対応、エネルギー安保危機の克服、温暖化ガスの排出量削減目標の達成、デジタル分野の研究・開発などで緊密な協力をすることになった。 韓米首脳は韓米日の3カ国協力強化を支持するとともに、ロシアから侵攻を受けたウクライナに対するさまざまな支援にも言及した。さらに中国が嫌がる台湾海峡の平和と安定性も強調。これからの韓国の外交姿勢を示すものと評される。 これを示すように、尹大統領は米上下両院合同会議でも自由を強調。「韓国は米国と共に世界市民の自由を守り、拡大する『自由の羅針盤』の役割を果たしていく」と述べた。
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