29日に仁川国際空港で身柄を拘束された趙顕千氏=(聯合ニュース)
29日に仁川国際空港で身柄を拘束された趙顕千氏=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権下で軍の防諜部隊「国軍機務司令部」(現・国軍防諜司令部)が権限を越えて戒厳令布告を検討する文書を作成していた問題で、当時、機務司令官を務めていた趙顕千(チョ・ヒョンチョン)氏が31日、逮捕された。 趙氏は29日、逃亡先の米国から帰国した直後に仁川国際空港で検察に身柄を拘束され、取り調べを受けた。取り調べを行ったソウル西部地検は同氏の逮捕状を請求。ソウル西部地裁は逮捕状の発付可否を決める審査を行い、証拠隠滅や逃亡の恐れがあるとして逮捕状を発付した。 検察は、逮捕状に記載されていない内乱陰謀の容疑についても本格的に捜査を進める方針だ。 検察によると、趙氏は2016年に行われた保守系団体「韓国自由総連盟」の会長選を巡り、職権乱用や権利行使妨害を行った容疑を受けている。また同年に機務司令部の職員を使って朴元大統領を支持する集会を開き、コラムや広告を掲載した疑い(軍刑法上の政治関与)が持たれているという。 検察は趙氏の主な容疑である戒厳令の検討を巡る文書の作成について捜査を集中する方針だ。 趙氏は17年2月に戒厳令の文書作成のタスクフォースを立ち上げ、戒厳令を検討する文書の作成を指示するとともに、これを韓民求(ハン・ミング)国防部長官(当時)に報告した疑いが持たれている。同文書には、朴槿恵氏の退陣を求める大規模な市民集会を武力で鎮圧するための違法な戒厳令計画が盛り込まれていた。 検察はこのような文書の作成が内乱陰謀、または内乱準備と見なすことができるか綿密に調べる予定だ。 趙氏が文書作成の事実を上層部に報告し、有事の際に内乱を実行することで合意したかどうかを把握するため、朴元大統領などを取り調べる可能性もある。 またタスクフォース設置の事実を隠すために部下に虚偽の文書を作成するよう指示した疑い(虚偽公文書作成)も捜査対象となる。 趙氏は17年12月に米国へ出国。裁判所は18年9月に趙氏の拘束を認める令状を発付していた。当時、趙氏の疑惑について捜査していた軍と民間による合同捜査団は、趙氏の所在の把握が困難になり、同年11月に捜査を中断した。
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