韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官が徴用訴訟で大法院(最高裁)の確定判決を受けた被害者遺族と面会した。面会場所に入る朴氏=28日、ソウル(聯合ニュース)
韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官が徴用訴訟で大法院(最高裁)の確定判決を受けた被害者遺族と面会した。面会場所に入る朴氏=28日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本の外交当局間で徴用被害者への賠償問題を巡る協議が続くなか、韓国の朴振(パク・ジン)外交部長官は28日、被害者遺族と面会してこれまでの協議の経過などを説明した。 同部の任洙ソク(イム・スソク)報道官は定例会見で、「今回の面会では、(日本企業に賠償を命じた)大法院(最高裁)判決について韓日共同の利益に合致する合理的な解決策を模索するための韓国政府の外交的努力を十分に説明し、被害者と遺族の意見に耳を傾ける計画だ」と説明した。 政府はこれまで、支援団体関係者や訴訟代理人との面会を続け、昨年9月には朴氏が被害当事者の梁錦徳(ヤン・クムドク)さんや李春植(イ・チュンシク)さんと面会したが、被害者遺族に政府関係者が会うのは今回が初めて。面会には遺族約30人が参加したという。 韓国政府が先月12日の公開討論会で提示した解決案は、大法院が賠償命令を出した日本企業に代わり韓国政府傘下の「日帝強制動員被害者支援財団」が判決金(賠償金)の支払いを行うというのが骨子。今回の面会では同解決案に対する遺族の意見を聞くとともに、韓国政府が日本側の謝罪や被告企業の財団への拠出など「誠意ある呼応」を引き出すために努力している点を強調したとみられる。 朴氏は来月1、2両日にインド・ニューデリーで開催される主要20カ国・地域(G20)外相会合に出席する予定だったが、最終的に参加を見送った。 今回の面会はその後に決まったとされ、徴用問題の交渉が大詰めを迎えるなか、外交トップが自ら遺族に会うことで問題解決を急ごうとする趣旨と受け止められる。 徴用訴訟で判決が確定した3件のうち、今回の面会に参加したのは広島の三菱重工業と日本製鉄で働かされた被害者の遺族らで、名古屋の三菱重工業で働かされた被害者遺族は参加していない。 名古屋で働かされた被害者の訴訟を支援する市民団体「日帝強制動員市民の集まり」の李国彦(イ・グクオン)代表は前日、同団体の要求に対する外交部の態度が変化しなければ、今後も遺族との面会は仲介しないとコメントした。 同団体は、梁錦徳さんへの叙勲に外交部がストップをかけたことに対する朴氏の謝罪、2回目の公開討論会の放送局主管での開催などを要求している。
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