与党の党代表選挙、候補陣営間の争い激化...国民を無視した行動と憂慮の声も=韓国(画像提供:wowkorea)
与党の党代表選挙、候補陣営間の争い激化...国民を無視した行動と憂慮の声も=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国与党「国民の力」は3月8日に開かれる全党大会を目前に控え、「尹核関(尹大統領の核心関係者)」議員らによる反対派候補への批判が高まっている。これはユン・ソギョル(尹錫悦)大統領が党代表選挙の有力候補であるキム・ギヒョン(金起ヒョン)議員を応援していると言われているためだ。しかし、このような与党内の動きに対して、憂慮の声も出ている。

 韓国メディア「ヘラルド経済新聞」によると、昨年5月、新政権発足以降、尹核関による党内の反対側議員への攻撃が続いてきたという。「尹核関」という言葉が話題となったイ・ジュンソク(李俊錫)前代表に向けた攻撃が代表的だ。李前代表は大統領選挙の期間中、尹大統領や「尹核関」議員らと対立した。

 尹核関が次に攻撃したのは、党の重鎮であるナ・ギョウォン(羅卿瑗)元議員。羅氏が党代表選挙の世論調査で先頭に立ったためだ。「尹核関」議員らは羅氏に不出馬を求め、羅氏は出馬を断念した。

 党内では「尹系だと言われる何人かの議員が、最近になって羅元議員に電話をかけ、党代表選挙へ出馬しないよう求めた。あからさまにいじめている」という批判の声が上がった。

「尹核関」の次のターゲットは、党代表選挙に出馬したアン・チョルス(安哲秀)議員とみられる。尹大統領の側近といわれるイ・チョルギュ(李チョル圭)議員は3日、あるラジオ番組で「安議員は引継ぎ委当時、連絡もなしに業務を放棄したことがある。重大な引継ぎ委員長の職務を自分の考えと違うと、連絡もなしに放棄する人が党代表になったらどうなるか」と批判した。

 党内では今後1週間の世論調査が安議員の行方を左右するだろうという観測が出ている。同党関係者は「支持率上昇の勢いがある安議員も、世論調査で勢いが落ちた瞬間、羅元議員のようになる可能性が高い」と見通した。

 このような与党内の動きについては、憂慮の声も出ている。

 メイル新聞は4日付の社説で、「与党の党代表候補らと陣営間の争いが激化している」と指摘。「国民の力は気に入らないからといって、党内の(人的)資産をむやみに叩き出してもいいほど、自分たちに余裕があると思うのか。尹政権のライバルは、党権候補でも野党でもない国民であることを忘れてはならない」と憂慮した。

 ハンギョレ新聞も3日付の社説で、「大統領室が党内選挙に介入した」と指摘。「尹大統領の強引な党務介入は、結局民心の無視につながることに気をつけるべきだ」と批判した。
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