聯合ニュースとの単独インタビューに応じるストルテンベルグ事務総長=27日、ブリュッセル(聯合ニュース)
聯合ニュースとの単独インタビューに応じるストルテンベルグ事務総長=27日、ブリュッセル(聯合ニュース)
【ブリュッセル聯合ニュース】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は、中国を含むグローバルな脅威に対応するため、韓国との協力を強化する意向を示した。 6年ぶりに訪韓するストルテンベルグ氏は出発前日の27日(現地時間)、ベルギー・ブリュッセルのNATO本部内にあるメディアセンターで聯合ニュースと単独インタビューを行い、「安全保障問題は次第に各地域に影響している。インド・太平洋地域で起こったことは欧州・NATOに影響し、その逆も同じ」と説明。「韓国とNATO間の協力を強化すべきと固く信じており、これが訪韓の最も重要なメッセージ」と強調した。 中国の脅威が高まっていることについては「中国は近代的な軍事力の増強に膨大な投資を行っている。NATO全加盟国の領土に届く長距離ミサイル、核の能力も著しく、急速に拡大させている」と評価した。 ウクライナ戦争の真っ最中にNATOトップが韓国と日本を相次ぎ訪問するのも、中国を意識したものとの解釈が出ている。中国は「北大西洋」地域以外で関係強化を図るNATOの動きを強く警戒している。 ストルテンベルグ氏は「NATOは現在も今後も北米・欧州の域内同盟として残る」としながらも、「われわれは中国による挑戦を含め、こうしたグローバルな脅威と挑戦に対応する必要がある」と指摘した。 ウクライナ戦争を機に中国の武力による台湾侵攻の懸念が高まったとの質問にも「中国を含む全世界の権威主義的な指導者がウクライナ戦争を注視している。(ロシアの)プーチン大統領がこの戦争で勝てば、残酷な武力を使い国際法に違反すれば、望むものを勝ち取ることができるとのメッセージを与えることになる。当然、台湾はその一つの例示」と答えた。 ストルテンベルグ氏は北朝鮮に対しても声を上げた。 「この戦争で重要な部分を占めるロシアの民間軍事会社ワグネルの場合、北朝鮮から弾薬とミサイルの供給を受けた。そのため、北朝鮮はインド太平洋地域全体の脅威であるだけではなく、グローバルな安保環境においても脅威」と指摘した。 今回の訪問を機に韓国との協力強化を目指す分野としてはサイバー脅威、軍備管理、技術分野を挙げた。 また、昨年に続き、今年もNATO首脳会議に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領を招く意向を示した。 ストルテンベルグ氏は昨年のNATO首脳会議に尹氏が韓国の大統領として初めて出席したことについて「歴史的イベント」と評価し、「今年7月のNATO首脳会議でも尹大統領を迎えることを期待している」と力を込めた。 一方、北朝鮮の核危機が高まっていることを受け、韓国の一部でNATO型核共有の導入論が浮上していることについて、「独自の核兵器確保計画はないというのが尹政権の明確なメッセージだった。米国の核抑止力は数年間機能しており、これはさらなる核拡散なしに抑止力を維持する方法だ。これがこの問題の解決策と考えている」と述べた。同問題は韓国と米国が決めることだが、核拡散防止は依然としてNATO同盟の重要な目標の一つと強調した。 2014年にNATO事務総長に就いたストルテンベルグ氏は昨年、ウクライナ戦争などを受け任期が1年延長され、23年9月までNATOトップを務める。同氏の訪韓は17年以来、6年ぶり。NATO事務総長としては3人目となる。
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