「労組の死神」になった公取委=韓国(画像提供:wowkorea)
「労組の死神」になった公取委=韓国(画像提供:wowkorea)
尹政権が発足後、韓国では公正取引委員会(公取委)が労働組合に対する大々的な調査と制裁に乗り出している。全国民主労働組合総連盟(民主労総)傘下の建設労組や貨物連帯など、民主労総系の労組が対象だ。

 建設労組には是正命令と課徴金1億ウォンを賦課。貨物連帯には、調査妨害の疑いで検察に告発した。今後も貨物連帯に対しては、事業者団体禁止行為違反の疑いで調査を続ける予定だ。公取委では、両団体を基本的に労組として認めていないという。

 21日、韓国政府によると、公取委は事業者団体禁止行為違反の疑いで、両団体の調査を進めている。貨物連帯は昨年末、「安全運賃制の日没制廃止」などを要求し、集団で運送拒否の行動に出た。公取委では、貨物連帯が所属事業者に対して運送拒否を強要したとみている。貨物連帯では、公取委が労組を調査するのは理にかなっていないとし、調査自体を拒否した。

 公取委は16日に審議を行い、公取委の現場調査を妨害したとして、貨物連帯を検察に告発した。

 建設労組は昨年12月29日、競争事業者団体所属事業者を建設現場から排除するよう建設会社に要求。その後、レミコン運送建設機械の運行を中断した。公取委では、こうした行為を「事業者団体の禁止行為」と結論をくだした。公取委の全員会議で、民主労総の建設労組構成員一人ひとりが事業者で、彼らが組織した労働組合を事業者団体だと判断したという。

 労組に対する公取委の調査は電撃的に行われた。異例のことだ。貨物連帯の調査では、公取委のハン・ギジョン(韓基貞)委員長が、昨年11月29日の運送拒否行為に対しても、公正取引法の適用可否を検討するよう指示した。

 韓氏は「故意に現場への進入阻止が続く場合、告発など法と原則により厳正対応する」と明らかにしている。

 今回の事件は貨物連帯を労組と見るかが核心争点だった。韓氏は調査段階で、労組ではないと結論を出している。委員長は通常、公取委事件で判事の役割を果たす。

 労働界では公取委の調査に強く反発している。貨物連帯は18日の声明文で、「貨物連帯の弾圧という目標を定めた調査だ。全員会議での審議・決定は、最初から公正さを期待できなかった」と指摘した。
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