高齢化は韓国経済の雷管=韓国報道(画像提供:wowkorea)
高齢化は韓国経済の雷管=韓国報道(画像提供:wowkorea)
高齢化の波高が激しい。ノーベル経済学賞受賞者である米国・カリフォルニア大学バークレー校のデヴィッド・カード教授は韓国経済が直面している最大の問題として、高齢化を指摘した。急激な少子高齢化は生産性を鈍化させ、経済を低成長と低雇用に縛り付ける。

 韓国は2025年に高齢者人口の割合が20.6%に上昇し、超高齢社会に突入する。高齢者人口は2020年の815万人から2050年には1900万人に急増する見通しだ。生産可能人口は2030年の3881万人から2050年には2419万人にまで減少する。経済協力開発機構(OECD)の研究によると、高齢者人口が1%増えると、成長率は年平均で0.38%下落することが分かった。生産人口100人当たりの老人人口扶養比率も2021年の21.8人から2036年には50人に増加する。生産人口2人が高齢人口1人を支える奇形的な構造に変わるのだ。グローバル格付け会社である「ムーディーズ」は、韓国に関して、高齢化によって今後20年間で生産人口が23%減少し、財政赤字が長期間続く暗鬱な見通しを示した。

 日本の事例は韓国にとって“他山の石”と言わざるを得ない。日本は代表的な財政不良国家だ。日本の昨年の国家債務比率は263%を超えた。日本の財政構造が悪化した主な原因は、急激な高齢化だ。高齢化の比率が1990年の12.1%から2021年には29%に上昇した。2010年以後、総人口も減少傾向に転換し、毎年中小規模都市が一つずつ消えているようなものだ。2040年には高齢者人口が40%を超える見通しで、社会保障費の削減や追加的な税金引き上げが行われなければ深刻な財政不足は避けられない。少子高齢化が急速に進行する過程で苦しい産業構造調整の代わりに財政投入という手軽な手段に依存したことが世界最高水準の国家債務を招いた。「アベノミクス」は高齢化と慢性的なデフレーション構造を克服するための国家的試みだったが、競争力低下という根本的な問題の解決には失敗した。

 韓国経済も多角的な高齢化対策に苦心しなければならない状況だ。深刻化している生産人口の不足問題に積極的に対処しなければならない。より開放的な移民政策が避けられない。2020年基準で外国人は215万人で、総人口のうちの4.2%を占めている。非熟練労働者に対する産業体の需要も引き続き大きくなっており、門戸を開放して必要な労働力を確保できなければ持続的な成長は不可能だ。ドイツがシリア難民とトルコの労働者を受け入れたのは、生産人口不足を解決するための苦肉の策だった。日本が出入国管理法を改正し、低熟練外国人労働者を受け入れたのも似たような理由だ。新型コロナのパンデミック(大流行)で安価な外国人労働者の確保が難しくなりかねない。東アジア諸国の人材輸入が制限される可能性もある。潜在成長率が2%台に落ちた状況で、労働力を安定的に確保するためには外国人への門戸開放は避けられない選択に違いない。働き方を変え、より柔軟な定年制度への転換も必要だ。

 高齢化時代の財政政策を考えなければならない。高齢者に対する各種社会保障性の支出が急増することになる。高齢者人口の割合が高い欧州諸国が福祉財源調達のための増税で、成長潜在力が枯渇している現実は示唆するところが大きい。人口減少と高齢化で空洞化した地方救済のための財政投入も大きく増えるしかない。子供の泣き声を聞くのが難しい地域、老人しかいない地域がニューノーマルになりうる。地域定住条件の改善と経済活性化のための財政支援が天文学的水準に増加する可能性がある。中国もこの10年間、4000万人の労働人口減少で8%台の高成長国家から5~6%の中速成長国家に転落した。高齢化と生産人口急減という焦眉の課題に迅速に対処できなければ、先進『韓国号』が座礁する恐れがある。高齢化はいつ起こるか分からない、韓国経済の“雷管”だ。
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