宇宙大国もロケット失敗を経験 ヌリ号成功なるか = 韓国(画像提供:wowkorea)
宇宙大国もロケット失敗を経験 ヌリ号成功なるか = 韓国(画像提供:wowkorea)
国産ロケット”ヌリ号”の打ち上げ日が近づいている。ヌリ号は1.5トンの衛星を地球低軌道(600~800キロ)に投入できるロケットだ。全世界で重さ1トン以上の実用人口衛星を打ち上げられる国はロシア、米国、欧州、中国、日本、インドで、打ち上げに成功すれば韓国は7大宇宙大国の仲間入りを果たすことになる。

 ただ、天気が新たな懸念となっている。ヌリ号は15日、チョルラナムド(全羅南道)コフン(高興)郡のナロ(羅老)宇宙センターで打ち上げられる予定で、打ち上げ前日は雨の予報が出ており、予定通り打ち上げが行われるか不透明な状況だ。雨が降り続くと発射台まで移送する道が滑りやすくロケットにトラブルが起こるなど、作業の安全面において影響がでる可能性がある。

 現在、ヌリ号は1段~3段を全て組立し、点検まで終えた状態だ。13日の夕方、科学技術情報通信部と韓国航空宇宙研究院は、飛行試験委員会を開き、技術的な状況と気象条件、宇宙環境の影響などを検討し、ロケットを発射台に移送するかを決める予定だ。

 ロケット開発は、米国、ロシア、欧州など、伝統のある宇宙大国も失敗するほど難しいものだ。欧州のヨーロッパ1は、1961年から開発されたが、すべての飛行試験に失敗し、1971年にプロジェクトが終了した。米国の民間開発飛翔体(Percheron)やロシアが、米国アポロプロジェクトに対抗するために推進した飛翔体(N-1)も、全ての飛行試験で失敗し、プロジェクトが終了した。飛翔体の失敗原因としては固体モーターの開発失敗、慣性航法装置の開発失敗、酸化剤タンクの加圧システムの開発失敗など様々だった。

 再使用ロケット企業として私たちに馴染みのあるイーロンマスクのスペースX社も険しい道のりを克服した企業だ。2002年から2009年まで地球低軌道に小型衛星を投入するための飛翔体を開発したが、推進システムの問題などで3回目の発射まで全て失敗した。

 韓国も例外ではない。ロシアの支援を受けて進められたナロ(羅老)号の打ち上げで、ペアリングの未分離、爆発などのトラブルを経験した。韓国が開発したヌリ号も昨年の打ち上げでは、3段エンジンが予想より早く停止した。その原因を把握し、今回の打ち上げを推進するに至った。

 現在まで技術的な問題はないが、ロケットは開発が終わっても発射後の状況がどうなるか予想が難しい。そのため、韓国航空宇宙研究院をはじめ、ヌリ号の関連組織、企業は超緊張状態にある。その一方で、独自の宇宙飛翔体技術を確保するという意志を示している。

 チャン・ヨンスン韓国航空宇宙研究院”飛翔体システム開発”部長は「発射は常に緊張する作業だが、何度も組み立て、発射を行い、研究陣は経験を積んでいる。組立の過程や試験の過程で問題がなかったが、ロケット発射は、いつでも予期せぬトラブルが発生する可能性があるため、緊張感を持って発射に向けた準備をする予定だ」と述べた。
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