会見を行う駐韓フランス大使=31日、ソウル(聯合ニュース)
会見を行う駐韓フランス大使=31日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】フランス、アルゼンチン、オランダ、英国の駐韓大使は31日、ソウル市内のフランス大使館で共同記者会見を開き、北朝鮮が関与した強制失踪問題に対して深刻な憂慮を表明した。各国の大使が一堂に会して会見を行うのは異例。 フランス大使とアルゼンチン大使は韓国国会に対し、「強制失踪からのすべての者の保護に関する国際条約」(国連強制失踪条約)を批准するよう求めた。 強制失踪条約は1976~83年の軍部独裁時代に数千人が失踪したアルゼンチンとフランスが主導して2006年の国連総会で採択され、現在68カ国が批准している。 これに関連し、韓国国会にも「強制失踪犯罪の処罰、強制失踪の防止と被害者救済などに関する法律案」が提出されている。 フランス大使は「強制失踪は極めて深刻な人権侵害だ」とし、「責任を負わない犯罪者を処罰するために力を合わせなければならない」と強調した。 被害者の家族会と市民団体は共同宣言文を発表し、北朝鮮が逮捕、監禁、拉致、失踪へと続く組織的強制失踪犯罪を持続的に行って多くの被害者を生んだとしながら、今も強制失踪被害者とその子孫の多くは北朝鮮の鉱山や拘禁施設などに抑留され、差別、搾取、強制労働に苦しんでいると指摘した。 また、尹錫悦(ユン・ソクヨル)韓国大統領に対し「北に韓国国民を拉致した事実を認めるよう促してほしい」とし、▼北朝鮮に抑留された韓国国民と子孫の生死確認▼抑留された人々の帰国の意志を確認▼死亡時の遺骨返還▼強制失踪被害者との手紙のやりとりと故郷訪問▼韓国人強制失踪問題を担当する独立官庁の設立――を求めた。 一方、ソウルの国連人権事務所のポカレル代表代行は、国連の実務グループが北朝鮮当局に韓国人強制失踪被害者数百人に対する情報を要請したが、まだ1件も回答がないと明らかにした。 ポカレル氏は、朝鮮半島の強制失踪問題は北朝鮮非核化に付随するテーマとして扱ってはならないとして、政治と切り離して人権・人道的問題として取り扱うことが重要だと強調した。
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