韓国大統領選の結果は「台湾・韓国の関係に大きな影響なし」…台湾の研究者が主張=台湾報道(画像提供:wowkorea)
韓国大統領選の結果は「台湾・韓国の関係に大きな影響なし」…台湾の研究者が主張=台湾報道(画像提供:wowkorea)
韓国大統領選挙の結果が今日(10日)発表される。文在寅政権の親中・親北朝鮮路線が継続されるかが注目を集める中、台湾の研究者からは「政権交代が起こったとしても、台湾と韓国の関係に根本的な変化はないだろう」という声が上がっている。

 今年は台湾と韓国の「断交30周年」にあたる。当時、韓国政府は中華民国大使館に対して国交断絶後24時間以内に退去することを求め、中華民国大使館の資産と土地をすべて韓国政府が接収した上で中華人民共和国へ譲渡した。中国大使館は韓国の台湾住民に中華民国の国旗掲揚を禁止するなど、台湾政府と国民に大きな失望と屈辱をもたらした。その結果として1990年代後半に「反韓」の風潮が起こったことは、台湾人が共有する生々しい記憶である。

 近年、台湾への韓国観光客が増加し、韓国文化が台湾でブームとなった。しかし、韓国政府は中国政府への配慮から、台韓の公的関係はいまだに進展を見ていない。

 台湾行政院の唐鳳政務委員は昨年、韓国の公的性格を持つ会合「第四次工業革命委員会」に招待されたが、主催者側が「両岸関係(中台関係)を考慮」したため、会合開催当日になって唐委員の招待は取りやめとなった。台湾外交部は韓国側に「当日の招待取りやめは非常に失礼であり、その理由を説明しないのはさらに失礼だ」と強く抗議した。

 元韓国駐在外交官で、韓国のチャンシン(昌信)大学名誉教授である劉順達氏は「韓国はもともと台湾を眼中に置いていない。与党が引き続き政権を取ろうと、政権交代が起ころうと、彼らが重視するのは米国・日本・中国であり、台湾との関係には変化はないだろう」と述べた。

 劉氏は「もし野党の尹錫悦が当選すれば、中国・北朝鮮との関係は現在の文在寅政権よりも悪化するだろう。反対に米国・日本との関係強化に傾くだろう。しかし、台湾としては韓国が同一戦線に立っていると考えるべきではない。韓国が親中でなくなったからといって、対台湾関係とは直接的な関係はない」と強調した。

 また、台湾国立政治大学の劉徳海教授は「尹錫悦が当選したら、米韓関係を強化する。韓国の路線は台湾の路線と近くなり、台韓協力の機会が増加する可能性がある。もし李在明が当選したら、中国との関係改善に乗り出す可能性が大きい」と述べた。

 劉教授は「尹錫悦と李在明は外交を得意とする政治家ではない。しかも、現在韓国国内では中国への反感が非常に高まっている。そのため、今回の選挙でも両者は中国に関する話題は避け、内政で勝負しようとしてきた」と分析した。
Copyrights(C)wowkorea.jp 106