韓国政府が複数の住宅所有者を規制する間に…不動産を買い漁る中国人投資家(画像提供:wowkorea)
韓国政府が複数の住宅所有者を規制する間に…不動産を買い漁る中国人投資家(画像提供:wowkorea)
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが起こった今年1年間、韓国で外国人による不動産の購入が大幅に増えたということが分かった。世界的な通貨緩和基調による豊富な流動性を武器に、外国人が韓国の不動産を魅力的な投資先と判断し、攻撃的な買いに乗り出したものと分析される。しかし、いっぽうでは韓国の投資家に対する強力な規制の隙間を縫って、外国人投資家が市場を錯乱させているという指摘も出ている。外国人の不動産購入と関連した制度整備が必要な時期に来ているようだ。

 21日、韓国最高裁判所ホームページ内の「登記情報広場」によると、今年11月までに韓国内の不動産売買計276万9040件のうち、外国人が買い入れた件数は1万9372件(0.69%)に達した。今年を1か月残した時点で、昨年の外国人年間購入数1万9371件を超えた。

 外国人の韓国内不動産購入数は、全体売買件数比1%未満だ。しかし、新型コロナが拡散した初年度の2019年を除き、この5年間、徐々に増えている。外国人が購入した不動産は、2017年の1万5385件から2018年は1万7843件に増えた。2019年は1万7494件と低迷したが、昨年は1万9371件と再び増え始めている。

 国籍別では中国が圧倒的な1位だった。コロナ禍でも、海外不動産投資の熱気が冷めない中国が最も多く、その後を米国とカナダが続いている。今年11月までに、中国人は韓国内不動産1万1594件を購入した。外国人が買った1万9372の不動産の59.8%に当たる数字だ。同期間、米国人は2548件を、カナダ人は700件を購入した。

 専門家らは、外国人による韓国内の不動産購入が増えたことについて、Kポップなどの影響や投資目的があると見ている。ソウル市内で主に中国同胞が多数居住するクロ(九老)区(224件)、クムチョン(衿川)区(224件)、ヨンドゥンポ(永登浦)区(214件)の次にカンナム(江南)区(156件)を買い入れた外国人が多いという点も、韓国内の不動産を住居目的ではなく、投資先と見ていることを示している。

 不動産114のユン・ジヘ首席研究員は「こうした指標は、ソウルがすでに世界10大都市内に入るほど、外国人にとって十分に魅力的な投資先になり得るということを示している」と述べた。

 不動産取引全体の1%にも満たないほどの少ない取引量にもかかわらず、外国人に複数住宅者へのニ重課税などが適用されないなど、死角地帯が発生していることから、規制をきめ細かく整備すべきだという声も出ている。

 融資から税金まで各種規制で韓国人の不動産取り引きは大きく萎縮した反面、外国人の取り引きは引き続き増加傾向を見せているという指摘だ。外国人は融資規制を避けて不動産を買い、ニ重課税まで避けやすいため、韓国人規制の反射利益を得ているという批判も出ている。韓国ではニ重課税が世代別の合算で適用される。しかし、海外に居住する外国人は世帯員の把握が難しく、税金規制が避けやすいからだ。

 KB国民銀行のパク・ウォンガプ不動産首席専門委員は「まだ規模が小さいが、もし外国人の韓国不動産投資が拡大して相場をつり上げたり、市場を混乱させたりする場合には(外国人を相手に)、不動産取引許可制などの実施も考えられる」とし、「現状では海外から融資を受けて韓国に投資する外国人と、韓国人購入者の間に格差が生じるしかない」と指摘した。
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