台湾での有事(戦争や事変などの非常事態発生)発生時の日本と米国による軍事介入を示唆した日本の安倍晋三元首相の発言によって、日本と中国の間の緊張感が高まっている。中国政府は異例にも真夜中に駐中日本大使を呼んで強く抗議し、日本に対して「火遊びをするとその火で自滅する」と脅しをかけた。

◇台湾での有事時、日本の軍事介入示唆に対し、中国が“極端に誤った発言“と
 12日の中国の新華社通信や日本の朝日新聞など両国の現地メディアによると、中国・外務省の華春瑩(かしゅんえい)外務次官補は前日夜に垂秀夫駐中日本大使を緊急招致し、安倍元首相の発言を批判しつつ厳重な抗議を表明した。

 中国・外務省のホームページによると、華外務次官補は安倍元首相の発言と関連して「極端に誤った発言」であるとし、「中国内政に乱暴に干渉し、中国の主権を公然と挑発し、台湾の独立勢力を後押しした」と指摘した。それとともに「中国はこれに決然と反対するとともに、過去に中国に侵略戦争を起こした日本は台湾について言及する資格も権利もない」と皮肉った。

 華外務次官補は「日本は国家主権と領土の完全性の守護に対する中国人民の固い決心と確固たる意志、強大な能力を過小評価してはならない」とし、「誤った道へ進むべきではない。さもなければ、火遊びをしてその火で自滅することになる」と警告した。

 前日の安倍元首相の発言直後に中国・外交部の汪文斌副報道官が記者会見を通じて「中国人民の最低ラインに挑戦すると、必ず頭が割れ、血が流れる」と強い抗議を示したにもかかわらず、異例の追加対応に出たものと注目される。特に“過去”の首相の発言に対し、一国の外交部が自国に駐在している外国大使を夜間に呼んで抗議することはまれだというのが外交関係者の説明だ。

 安倍元首相は前日、台湾シンクタンクが主催したオンライン講演で「台湾の有事は日本の有事であり、日米同盟の有事でもある。台湾に対する中国の武力侵攻は地理的、空間的に必ず日本国土に重大な危険をもたらす」とし、「習近平主席は決して誤認してはならない」と明らかにした。

 続いて「軍事的冒険は経済的な自殺につながる道でもある」とし、「台湾に軍事的冒険を試みる場合、世界経済に重大な影響を及ぼし、中国は深い傷を負うだろう」と警告した。

◇「対中圧迫強化を考慮した先制的対応」との解釈も
 中国の今回の動きに対して、一部では安倍元首相時代から推進してきた憲法改正が実現する場合、日米同盟の対中圧迫がさらに強まる恐れがあるため先制的にけん制に乗り出したという解釈もある。

 これに関して、中国官営・環球時報は「安倍首相は日本政府が憲法を改正するように後押ししている。自らの歴史的・公的にしよう野心」とし「中国と日本はただ互いを尊重し合い、互恵の原則によって相互疎通をすればウィンウィンの関係になることが出来る。米国と連携して中国に対抗することは日本にとっては誤った選択であり、戦略的な袋小路になるだろう」と報じた。

 環球時報のほかにも、中国官営メディアは政府を代弁して日本を強く批判したり警告する論評を出した。一方、日本のメディアは、安倍元首相の発言が論議になると、演説文の全文を先を争って報じた。

 垂大使は中国側の抗議と関連して「一方的な主張だ」とし、受け入れられないとの意向を示した。「台湾をめぐる状況について、日本国内にこうした見解もあるということを中国も理解しなければならない。日本政府を離れた人物の発言について、日本政府がどうこう言う立場ではない」と反論したという。

 一方で一部の日本メディアは安倍元首相の今後の歩みにも関心を示した。フジテレビ系列のFNNは「安倍元首相が長い間顔見知りだった李登輝元台湾総統の墓地参拝に関心を見せている」とし、今後台湾訪問の可能性に注目した。

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