9日、韓国メディアの朝鮮日報によると、チョルラナムド・チャンソングン(全羅南道長城郡)が、来年1月から「1000ウォン農村バス」を始めるという。大人の基本料金1500ウォンが距離に関係なく1000ウォンの固定料金に変わる。現在、1キロ当たり132ウォンの割り増し料金を適用すれば、郡の中心街から遠い所は3300ウォンの料金になる。
長城郡のキム・ソンム大衆交通チーム長は「クァンジュ(光州)市でさえ1400ウォンで市内ならどこへでも行けるが、むしろ農村の住民はそれより高い料金を払ってバスを利用しなければならない」と説明した。長城群の人口4万4000人のうち、年間のバス利用者は累計で105万人にのぼる。長城郡は、地域唯一のバス運輸会社に、基本料金が減った分だけ損失金を補てんしている。その費用が事業費として年間3億2000万ウォン(約3000万円)になる。
日刊紙の国民日報は9月13日の報道で、米ニューヨークタイムズがチュンチョンナムド・ソチョングン(忠清南道舒川郡)で実施している「100ウォンタクシー」を「神様からの贈り物」と絶賛したことについて、舒川郡首が「お年寄りのおかげで、ありがたいことが起こった」と感想を述べた。
これに先立ってニューヨーク・タイムズは9月11日(現地時間)、「神から授かった贈り物、韓国農村の9セント(100ウォン)タクシー」という見出しの記事で、「(100ウォンタクシーは)人里離れた村に住み、車を持たない老人のために考案された事業」とし、「この事業は成功し、舒川郡のモデルは中央政府の支援を受けて他の地域に広がり、韓国農村の大衆交通に革命を起こした」と評価した。
2013年に導入された「100ウォンタクシー」事業の正式名称は「希望タクシー」。バス停まで700メートル以上歩かなければならない村の住民が利用できる。乗客は100~1500ウォンだけ支払い、残りの料金は軍が負担する。本来なら1万ウォンから2万5000ウォン(約938円から2157円)ぐらいの料金を払わなければならない距離だ。
8月30日、経済紙のマネーSによると、全羅南道が30日、広域自治体としては初めて1時間以内の生活圏に、今月1日から試験的に実施していた「島民1000ウォン旅客船運賃支援事業」を、当初の計画より4か月前倒して、9月1日から1320にのぼる全ての旅客船運航区間に拡大すると発表した。
現在、島民は旅客船運賃8340ウォン未満の区間は1000ウォン、8340ウォン以上3万ウォン以下は5千ウォン、3万ウォン超過5万ウォン以下は6000ウォン、5万ウォン超過は7000ウォンを負担している。
しかし、9月1日からは陸地から最も遠く離れた木浦~可居島、麗水~巨文島間を利用する島民も1000ウォンの単一料金で利用できることになり、距離によって発生する運賃の不均衡が解消されることになった。
韓国で展開されているこうした交通福祉政策は、地方での高齢化や人口減少により、公共交通機関の利用に困っている住民を助ける目的がある。また、住民の移動を助けるだけでなく、人口減少で苦しむ地域の交通業界にも役立つ一挙両得の効果が期待されている。
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