文大統領を共産主義者と批判、 最高裁「名誉毀損ではない」=韓国(画像提供:wowkorea)
文大統領を共産主義者と批判、 最高裁「名誉毀損ではない」=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領を「共産主義者」と批判し、虚偽の事実を流布したとして名誉毀損(きそん)で起訴された、放送文化振興会のコ・ヨンジュ(高永宙)元理事長が、裁判を再び受けることになった。最高裁は無罪判決を下した1審と同様に、高氏の発言が名誉毀損ではないと判断した。

 最高裁判所3部は16日、名誉毀損の容疑で起訴された高氏の上告審で懲役10か月、執行猶予2年を言い渡した原審を破棄し、事件をソウル中央地裁に差し戻した。

 最高裁は判決理由について、「"共産主義者"という言葉が北朝鮮と関連付けて使われることもあるが、韓国の自由民主的基本秩序を脅かす、ほかの具体的事情についての言及がない限り、誰かを共産主義者と表現したという事実だけで、名誉を傷つけるだけの具体的事実を示したとは断定できない」と指摘した。

 また、「高氏の発言は、公的人物である文大統領の政治的理念に対する意見交換と論争による検証過程の一環と見るべきだ。被害者の社会的評価に対する否定的な側面だけを浮き彫りにし、表現の自由を逸脱したとは考えられない」と説明した。

 高氏は2013年1月、ある保守系市民団体の新年会で、当時第18代大統領選候補だった文氏を指して、「釜林事件の弁護人である文在寅は共産主義者で、この人が大統領になれば韓国が赤化するのは時間の問題」と発言した疑いで起訴された。釜林事件は1981年、公安当局が読書会を開いた教師と学生など22人を令状がないまま逮捕し、19人を拘束した事件だ。共産主義運動だったと言われるこの事件で、高氏は捜査検事、文氏は再審時に弁護を務めた。

 1審は高氏に無罪を言い渡した。一審は「発言内容では、1982年に釜林事件の弁護人を努めたのか、再審時の弁護人だったのか、具体的に特定していない。弁護人だったという事実が、文大統領の社会的価値や評価を下げる内容とは考えられない」と判断した。

 一方、控訴審はこれを有罪と判断した。控訴審は「証拠調査の結果によると、文大統領が釜林事件の原事件を弁護しなかったことは明白であるため、結局、この部分の発言は虚偽の事実を示している」とし、「高氏の発言は文大統領に対する社会的評価を下げる名誉毀損に該当する」と判断した。
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