22日、ソウル交通公社によると、ソウル交通公社の労組が実施したストライキ賛否の投票は81.6%の賛成で可決された。在籍組合員1万889人のうち9963人(投票率91.5%)が投票に参加し、賛成8132人(81.6%)、反対(17.1%)という結果だった。労組法上、無記名投票で過半数が賛成したことで、ストライキが可能となった。
これにより、全国規模で地下鉄のストライキの可能性が出ている。すでに、仁川(82%)、釜山(68%)、大邱(80%)でもストライキに関する賛否の投票が可決されている。この他にも大田は22日、光州は来月初めに投票が実施される見込みだ。
ソウル交通公社の労組の関係者は「新型コロナウイルスによる財政危機にもかかわらず、政府とソウル市が全く支援策を打ち出さず、人員削減および外注化などの構造調整により勤労者に責任を転嫁している。23日、全国民主労働組合総連盟に全国6大地下鉄の労組委員長が出席し、今後の共同闘争など具体的なストライキの計画を打ち出す予定である」と述べた。
ただ、労組側が来週からストライキに入るのは難しい見通しだ。2008年に導入された必須維持業務制度に基づき、地下鉄は労組のストライキにおいても全体労働力のおよそ30%にあたる最小労働力を維持しなければならない。そのため必要不可欠な社員は出勤して通勤時間帯の列車を通常運行、他の時間帯の運行率を普段の80から85%の水準に維持する案が有力視されている。
ソウル交通公社の関係者は「少なくともストライキの5日前までには、労組側が会社側に必要不可欠な社員を準備し、その後に交渉を始めることになる。差し迫った状況であるが、今月末か来月初めくらいには結論が出るものとみられる」と述べた。
構造調整をめぐって労使双方の立場があまりにも対立している上、上級行政機関のソウル市は市民の負担が増加することを理由に地下鉄料金の引き上げに難色を示しているため、劇的な合意がなされるかどうかは未知数だ。また、高齢者などの利用料金無料による損失を補填するため、財政支援を要求しているが、政府もこれといった立場を示していない。
このような状況の中で、ソウル地下鉄の財政難は日増しに深刻化している。ソウルの地下鉄は2017年5月にソウルメトロ(1〜4号線)とソウル都市鉄道公社(5〜8号線)の合併後、2019年まで3年連続5000億ウォン(およそ500億円)を超える赤字を記録した。その後、新型コロナウイルスが拡大して赤字規模は大きくなり、昨年、約1兆1140億ウォン(およそ1兆114億円)の純損失を記録しており、今年は1兆6000億ウォン(1兆600億円)近い赤字が予想されている。最近、このような状況で、ソウル交通公社は職員1539人(約10%)を削減する構造調整案を発表し、労組は強く反発している。
昨年1月にも旧正月を控えて、ソウル交通公社労組側は運転時間の延長と乗務員の増員などを要求し、大規模なストライキを予告していたが、当時は市民への悪影響などを考慮し、予告日の直前にストライキを突然撤回した経緯がある。
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