韓国のサムスン電機とLGイノテック、「選択と集中」経営で効率化図る(画像提供:wowkorea)
韓国のサムスン電機とLGイノテック、「選択と集中」経営で効率化図る(画像提供:wowkorea)
韓国の2大電子部品メーカー、サムスン電機とLGイノテックが選択と集中戦略を展開している。経営効率化により両社は今年4~6月期、好実績が見込まれている。

サムスン電機は、主力事業である積層セラミックコンデンサ(MLCC)の競争力を強化している。同社は来年まで電装用MLCC分野で2位となることを目標に掲げ、電装用MLCC事業の育成に本腰を入れている。これに先立ち2019年、同社は中国天津市に5733億ウォンを投資して電装用MLCC工場を設立した。同工場で電装用MLCCを量産するため現在、試験的な量産を行っている。また釜山事業場に構築したMLCC原材料工場も、稼働に向け準備中だ。

同社はまた、韓国で唯一同社が供給する半導体基板、フリップチップ・ボールグリッドアレイ(FCBGA)生産設備の増設も検討中だ。新型コロナウィルス拡大で、FCBGAをはじめとした半導体基板の需要が増え続けているためだ。

一方で同社はリジットフレキシブルプリント基板(RFPCB)事業の清算を検討している。

LGイノテックの場合も、新事業となるFCBGA事業への進出を検討している。同社の場合も新型コロナウィルス拡大でIT機器の需要が急増し、FCBGA需要が伸びていることによる。今年初めには、FCBGA事業関連の専門担当チームを結成した。

同社はさらに、メタバース(3次元仮想世界)の流行で、飛行時間型質量分析計(ToF)の3Dカメラモジュール市場における影響力拡大にも期待を寄せている。ToFカメラモジュールを装着した仮想現実(VR)・拡張現実(AR)機器やスマートフォンなどでは、メタバースと関連したコンテンツを作成することができるためだ。同社は3月、米マイクロソフトとToFモジュール開発と供給で協力する内容の覚書(MOU)を交わした。

一方で同社は発光ダイオード(LED)事業と関連し、パジュ(坡州)事業場にあるLED設備と特許などを処分した。現在は同事業場内の不動産活用について検討しているところだ。また今年初め清算した中国の法人も、LED設備と事業場の売却を進めている。

MLCCとカメラモジュールなどの販売好調により、両社の4~6月期の実績展望は明るい。証券業界の展望によると、サムスン電機の売上高は前年同期比19.1%増の2兆1573億ウォン、営業利益は207.3%増の2950億ウォンとなっている。LGイノテックの売上高は38.9%増の2兆1384億ウォン、営業利益は158.2%増の1108億ウォンと予想されている。

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