バイデン式追加失業手当のジレンマ…米国「雇用ショック」の理由は?(画像提供:wowkorea)
バイデン式追加失業手当のジレンマ…米国「雇用ショック」の理由は?(画像提供:wowkorea)
文字通り「雇用ショック」だ。米国の新規雇用が4月の一か月間で26万6000の増加にとどまった。100万個前後の雇用が急増するという予想を大きく下回った。

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これは米国全土に蔓延する求人難が原因である。経済回復で仕事は増えているが、働く人が不足している、いわゆる労働市場に「ミスマッチ」が発生したものである。政府が与える失業手当を集めるのが、就職するよりもましだという心理がまず挙げられる。コロナ以降、株価と住宅価格が高騰し、高齢退職者が増えたという点も一因だと思われる。

7日(現地時間)、米国労働省によると4月の非農業新規雇用規模は26万6000人増加した。市場予想値(97万8000人)の4分の1に過ぎなかった。ウォールストリートの一角では200万人以上と予想するほど期待感が高かったが、実際の数値は雇用ショックに近かったという評価だ。

4月の失業率は6.1%で、前月(6.0%)と比較して0.1%ポイント上昇した。これも予想(5.8%)に及ばなかった。失業者は3月970万人で、4月980万人に増えた。さらに3月の非農業新規雇用は発表当時91万6000件増加とみられたが、今回77万人の増加に下方修正された。

CNBCは、「多くのエコノミストは、米国経済が回復する兆候に大きな期待をしていた」とし「雇用が膨大な規模で後退した」と伝えた。ブルームバーグは「予期せぬ鈍化」と表現した。PNCファイナンシャルサービスのガス・パウチョエコノミストは「非常に失望している」と述べた。

今回の雇用ショックは労働市場のミスマッチの恐れが現実になったという分析が多い。急な経済再開に雇用(需要)は増える一方、働く人々 (供給)は不足しているということだ。

まず挙げられるのは追加失業手当のジレンマだ。バイデン政府の追加刺激政策に基づいて、連邦政府は現在、週300ドルずつ追加失業手当を出している。9月までだ。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、例えば米国北西部のモンタナ州の場合、州全体の1人当たりの失業給付は最大572ドルだ。今はこれに加えて、連邦政府が出す追加失業手当は300ドルだ。あえて働かなくても毎月3488ドルを受け取ることができるのだ。

バンク・オブ・アメリカ(BoA)グローバル経済研究所長は「パンデミック前年の所得が3万2000ドル未満であった層は、就業するよりも失業手当を受けるのがよいと推定される」とし「飲食店、ケアサービスなど低賃金業種で労働者を雇用、維持するのは当分の間は容易ではないだろう」と述べた。

第二の要因は、パンデミック以降、高齢者を中心に労働市場からの離脱者が増えた点である。

過去のパンデミックでは資産価値の下落を伴うことが多かったが、今回は株価と住宅価格が急騰した。現在、ニューヨーク株式市場の3大指数はすべて史上最高値に近い。引退しても食べて生きていける資産が生まれたのだ。

BoAはパンデミック以降引退を決めた人々を120万人と推定した。彼ら含めて労働市場から離脱した規模だけで200万人以上である。しばらくの間、構造的な労働市場のミスマッチは避けられないようだ。

第三の要因は、パンデミック以降、学校が閉まり、育児をしなければならない人が多いという点である。育児と家事は高齢と共に代表的な非経済活動人口だ。米国で言えば、労働力人口(labor force)でなくなるという意味である。米国教育長官は最近、MSNBCとのインタビューで「9月にはすべての学校が対面授業を再開することを期待している」と述べた。

第四の要因は、半導体不足の影響である。労働部の統計を見ると、4月の自動車と自動車部品関連製造業の雇用は2万7000も減った。製造業の雇用(-1万8000人)が減少した理由はここにある。現在ゼネラルモーターズ(GM)などの主要自動車メーカーは、車両用の半導体がなくて工場を閉めざるをえないのが実情である。
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