新型コロナウイルスの対応現場を訪れるのは、7日に仁川国際空港で検疫当局の関係者に会って以来、2日ぶり。世界的な感染拡大が続いているなか、治療薬とワクチンに対する各国の関心も高まっており、韓国の研究者がこの分野で成果を得られるよう力づける狙いがあるようだ。
文大統領はこの日午前、ソウル南方の京畿道城南市にある韓国パスツール研究所を訪れ、医師や製薬会社関係者、研究者ら専門家が一堂に会した新型コロナウイルス治療薬・ワクチン開発に関する合同会議に出席した。
この席で、文大統領は危機の根本的な克服に向けた治療薬とワクチン開発の重要性を重ねて強調しながら、努力を続けてほしいと求めた。また、現実的な治療薬開発方法として期待を集めているドラッグ・リポジショニング(既存薬再開発)に関する研究結果の報告を受けた。
ドラッグ・リポジショニングとは、新薬開発に時間がかかることを踏まえ、既存薬を転用できるかどうか効能を検証する作業を指す。
パスツール研究所は2月から政府の資金支援を受けて約2500種類の薬を対象に細胞実験を行い、新型コロナウイルスを治療する効能を持つ複数の候補薬を見つけ出した。
専門家らは、新型コロナウイルスの治療薬とワクチンの開発は国の危機に対応するためのものだとして総合的な支援を要請。これを受け、政府は感染症に対する研究開発(R&D)投資を大幅に増やし、5月初めには新型コロナウイルスに感染する霊長類を対象に治療薬1件、ワクチン2件の効能検証に入れるよう支援するという。
青瓦台(大統領府)は「治療薬とワクチンの開発は、韓国型防疫モデルの構築に向けた重要な契機になり得る」と期待を示している。
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