ソウル市鍾路区で市民に支持を訴える与党「共に民主党」、保守系最大野党「未来統合党」の両陣営。同区は、前首相で共に民主党の共同常任選挙対策委員長を務める李洛淵(イ・ナクヨン)氏と、未来統合党代表の黄教安(ファン・ギョアン)氏の対決が注目を集めている=3日、ソウル(聯合ニュース)
ソウル市鍾路区で市民に支持を訴える与党「共に民主党」、保守系最大野党「未来統合党」の両陣営。同区は、前首相で共に民主党の共同常任選挙対策委員長を務める李洛淵(イ・ナクヨン)氏と、未来統合党代表の黄教安(ファン・ギョアン)氏の対決が注目を集めている=3日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】300人の国会議員を選ぶ4年に一度の総選挙(15日投開票)が10日後に迫った。最大の争点は韓国のみならず、全世界で感染拡大が続く新型コロナウイルス問題だ。与野党の選挙戦略に影響を及ぼすのはもちろん、選挙情勢を大きく左右するとみられる。特定の支持政党や理念に左右されない無党派層の行方も注目される。接戦となっている選挙区の当落を決めるだけではなく、場合によっては勝敗が決まっているようにみえる選挙区の結果をひっくり返すことも可能だ。◇総選挙の最大争点となった新型コロナ 今回は新型コロナウイルス問題が総選挙の流れを大きく左右するとみられる。「コロナ総選挙」と呼ばれるほどだ。 投開票を10日後に控えた5日現在、新型コロナウイルス問題は総選挙の最大の争点となっている。与野党はいずれも、同問題への対応、これによる経済危機を最重要とみている。 与党「共に民主党」は新型コロナウイルス収束の時期が早いほど総選挙の「勝率」が高まるとみて、政府の防疫対策と経済被害緩和策を支援することに集中している。政府・与党間の協議を通じ、必要な政策を速やかに打ち出せる政権与党の利点を最大化し、「政権に審判を」というムードを盛り上げようとする野党の攻撃を封じたい考えだ。 与党候補たちの遊説や街頭演説では「政府・与党が力を合わせ、新型コロナウイルスを克服する」とのメッセージが必ず登場する。特に、世界各国が韓国の防疫の成果に注目する中、世論調査で発表されているように、政府の対応に対する前向きな評価が選挙結果につながることを期待している。 一方、保守系最大野党「未来統合党」は、新型コロナウイルスの防疫対応を巡り「政府の基本責務」とし、これを「成果」と評価するのは的外れであると指摘し、政府と与党への攻勢を強めている。また、新型コロナ発生直後に右往左往した初動対応、中国に対する「低姿勢外交」などを取り上げ、政府の対応を強く非難。経済問題でも新型コロナウイルスの発生後、「経済コロナ」がより深刻な問題になったとし、現政権の経済政策の失敗を強調している。◇注目される無党派層の行方 特定の支持政党や理念に左右されない無党派層の行方は今回の総選挙でも、終盤の情勢を左右する主要変動要因になるとみられる。 総選挙時に無党派層は20%を超える可能性がある。世論調査会社、韓国ギャラップが先月31日から今月2日まで政党支持率を調査した結果をみると、無党派層は22%に達した。 明知大学の申律(シン・ユル)教授(政治学)は5日、聯合ニュースの取材に対し、「無党派層の行方が今回の総選挙で非常に重要だ。過去には無党派が与党より野党に傾く傾向を示したが、今回もそうした現象が起きるか注目される」と話した。 こうした流れから注目されるのが「シャイ(Shy)保守」だ。支持を明確にしてこなかった保守層の見解が反映されていないため世論調査で与党優勢との結果が出ていると、未来統合党は主張する。 同党は「シャイ保守」の有権者が4~8%に達するとみて、「彼らが投票する場合、接戦の選挙区はどうなるか分からない」と話す。 ただ、与党側は「シャイ保守」の規模は小さいと判断している。
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