この訴訟は2016年12月に起こされたが、日本政府は「自国の主権または安全保障を侵害すると判断する場合」に限り訴状の送達を拒否できると規定した国際条約を根拠に、たびたび訴状の受け取りを拒否。これに対し裁判所は「公示送達」の手続きを取り、提訴から約3年にしてようやく審理を始めるに至った。
公示送達とは、訴訟相手の住所が分からなかったり、相手が書類を受け取らず裁判に応じなかったりした場合に裁判所の掲示板や官報などに内容を掲載し、訴状が届いたとみなす制度だ。
日本政府側は出廷しないと予想される。ただ、公示送達の手続きを取った場合は被告が欠席しても相手の主張を認めたことにはならず、裁判所は原告の主張を法理的に検討して結論を出すことになる。
法曹界では「主権免除」が争点になる可能性を指摘している。主権免除とは、主権国家に対して他の国が自国の国内法を適用して民事・刑事上の責任を問うことはできないとする原則だ。慰安婦被害者らはこれに対し、日本政府の違法行為は韓国の領土内で行われ、違法性が非常に高いため、主権免除の原則を適用してはならないと主張するとされる。
同訴訟のほかにも、慰安婦被害者らが損害賠償を求めて日本政府を提訴した別の訴訟が1件ある。これも当初原告が求めた調停に日本政府が応じず、16年1月に正式な訴訟に切り替えられて以降、一度も審理が行われていない。
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