3日午後、東京へ出発する文国会議長(右)=(聯合ニュース)
3日午後、東京へ出発する文国会議長(右)=(聯合ニュース)
【東京聯合ニュース】韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長は訪日2日目の4日、東京で20カ国・地域(G20)国会議長会議に出席し、日本での公式日程に入る。冷え込みが続く韓日関係の改善の糸口を探るため、韓国国会有数の日本通として日本の政界関係者に積極的に接触したい考えだ。 文氏は2004年から4年間、超党派の韓日議員連盟の会長を務めた。文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足した17年5月には日本に特使として派遣され、安倍晋三首相に文大統領の親書を渡している。 今回はG20国会議長会議に出席するため、前日午後に東京入りした。訪日を機に、これまでのネットワークを生かして日本の政界要人と接触を図り、政府とは一歩距離を置いた議会としての外交で柔軟性を発揮したいところだが、現在のところ思惑通りとはいかないようだ。この1年、両国間の溝は深まる一方で、安倍政権が強硬姿勢を鮮明にする中、日本の韓国通の政治家も動きにくい状況となっている。 超党派の韓日議員連盟と日本側の日韓議連が1日に東京で合同総会を開いた際、日韓議連の額賀福志郎会長は韓日関係の危機的な状況の原因が強制徴用被害者への賠償を日本企業に命じた韓国大法院(最高裁)の判決と韓国政府にあると批判した。安倍首相も同総会に祝辞を送らず、韓国議員の表敬を受けないなど、日本側の冷ややかなムードが際立った。 また、G20国会議長会議で文氏と同席する日本の山東昭子参院議長は、旧日本軍の慰安婦問題は日本の天皇(現上皇)の謝罪で解決するとした文氏の2月の発言を問題視し、個別会談に応じない姿勢を示している。 この発言について文氏は、前日に掲載された朝日新聞とのインタビューで、あらためて謝罪した。日本側の反発を和らげ、政界との接触のきっかけにする意図とみられる。 また、公式の席でも望ましい韓日関係に向けたメッセージを日本へ発信する。4日午前のG20国会議長会議では「自由で開放的な公正貿易および投資促進」をテーマに演説する予定。日本の名指しは避けつつも日本の対韓輸出規制の不当性を遠回しに指摘し、出席国に韓日間の争点を認識させ、支持を働きかける。 最も重きを置く対日メッセージは、5日に予定された早稲田大での講演で打ち出される見通しだ。強制徴用問題に対する解決策を提言する可能性がある。さらに、1998年に金大中(キム・デジュン)大統領と小渕恵三首相(いずれも当時)が「韓日共同宣言(21世紀に向けた新たなパートナーシップ)」を発表したように、両国関係を画期的に転換させる思い切った決断の重要性を強調するとみられる。
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