文大統領(左)と安倍首相(イラスト)=(聯合ニュース)
文大統領(左)と安倍首相(イラスト)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の青瓦台(大統領府)関係者は11日、聯合ニュースに対し、天皇が即位を国内外に宣言する「即位礼正殿の儀」(22日)に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が出席する可能性について、「出席しない方針」と明らかにした。

 日本政府が対韓輸出規制の強化を発動してから11日で100日となるが、日本側は依然として規制強化の撤回など態度を変化させる動きを見せていない。このため、青瓦台は文大統領が日本を訪問するタイミングではないと判断したようだ。

 文大統領が訪日する場合、安倍晋三首相との首脳会談が実現するかどうかに関心が集まることも考慮したとみられる。文大統領が日本を電撃訪問しても安倍首相との会談が実現しなかったり、両国関係改善の糸口を見つけられなかったりすれば、訪日の意味がなくなるとの指摘が出る懸念がある。

 このため、韓国政府からは李洛淵(イ・ナクヨン)首相が即位礼正殿の儀に出席する可能性が高まっている。青瓦台や韓国政府は出席者などについて決まっていないとしているが、即位礼正殿の儀を両国関係改善の足掛かりにするためには、李氏が役割を果たす必要があるとの見方が広がっている。日本側が輸出規制を発動した初期と比べると、多少なりとも対話の意思を示していることも知日派として知られる李氏の役割を期待する声を大きくしている。

 李氏が即位礼正殿の儀に合わせて安倍首相と会談し、文大統領のメッセージを伝達する可能性も取り沙汰されている。

 ただ、青瓦台や韓国政府の一部は李氏の出席に否定的な反応を示している。韓国与党の関係者は「日本の決定的な態度変化がない状況で韓国政府を代表すると言える首相の出席が適切なのかという意見があるのも事実」と説明。「安倍首相に会う場合、徴用訴訟や軍事情報包括保護協定(GSOMIA)問題などが幅広く議論される可能性が高い」としながら「水面下で十分な調整を行わず会う場合、意見の隔たりだけを確認する危険性もある」と述べた。

 一部では李氏ではなく、別の人物が即位礼正殿の儀に出席する可能性が取り沙汰されている。

 韓国政府関係者は「近く訪日代表団を発表する」とした上で、「(今は)何も決まっていない」と従来の立場を改めて示した。


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