北朝鮮は文大統領(左)の演説を強い口調で非難した(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
北朝鮮は文大統領(左)の演説を強い口調で非難した(コラージュ)=(聯合ニュースTV)
【ソウル聯合ニュース】韓国統一部当局者は16日、北朝鮮が文在寅(ムン・ジェイン)大統領が前日に行った光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)の式典での演説を非難したことに対し、「北がわが民族最大の慶事である光復節の翌日にわれわれを中傷したことに対して深い遺憾を表する」と述べた。 同当局者はこの日午後に匿名を前提に行った会見で、北朝鮮の対韓国窓口機関・祖国平和統一委員会が出した文大統領の演説を非難する談話に対してこのように述べ、「政府はこれまで、(実施中の)韓米合同軍事演習が北を狙った野外機動訓練ではなく、(米軍主導の韓米連合軍が持つ)有事作戦統制権の韓国軍への移管に備えた合同指揮所訓練であることを何度も説明したが、北がわれわれを非難したのは当局の公式の立場表明とするには度を越えた無礼な行為だ」と指摘した。 また、今後南北関係を発展させ、朝鮮半島に平和が定着する過程で南北が互いに尊重し、守るべきものは守る努力をしなければならないと強調した。 統一部の当局者が直接遺憾を表明するのは、これまで韓国政府が北朝鮮の非難に対し直接的な対応を控えてきたことと比べても異例といえる。この日午前に統一部が定例会見で発表した公式な立場よりも多少強いトーンだ。 これに先立ち、統一部は定例会見で、北朝鮮の談話に対して「南北首脳間で合意した(昨年4月の)板門店宣言や(同9月の)平壌共同宣言の精神に合致しないだけでなく、南北関係の発展にも全く役立たない」と述べた。 ただ、この当局者が青瓦台(大統領府)や統一部の公式会見ではなく、匿名での報道を前提とする会見で立場を表明したことは、過度に強硬な対応よりは適度に状況をコントロールする必要があるの判断によるものとみられる。 この当局者は、重ねて立場を明らかにした背景について「今回の談話は当局の公式な言及とするには度を越えた無礼な点があり、今後南北関係を発展させ、平和が定着する時に相互尊重は守らなければならないということを北にもう一度促す機会にしようと思う」と説明した。 北朝鮮・開城の南北共同連絡事務所などを通じてこのような立場を伝える計画があるかとの質問には、相互尊重を守るよう促すと述べるにとどめた。 また、これまでの南北合意を徹底して履行するとの立場で毅然と対処すると言い添えた。 祖国平和統一委員会の報道官は、この日の談話で文大統領の光復節の演説を「妄言」と非難し、「われわれは南朝鮮(韓国)当局者とこれ以上する話もなく、二度と向き合う考えもない」と表明した。
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