【ソウル聯合ニュース】韓国青瓦台(大統領府)は3日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が先月30日からこの日までの夏休み中に読んだ書籍のリストを公開した。

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 リストには、英文学賞のブッカー国際賞を受賞した女性作家、韓江(ハン・ガン)氏の長編小説「少年が来る」をはじめ、仏教をテーマにした作品で知られる小説家、金聖東(キム・ソンドン)氏の長編小説「国手」(原題)、フォトジャーナリスト、秦千圭(チン・チョンギュ)氏の北朝鮮訪問記「平壌の時間はソウルの時間と共に流れる」(同)などが含まれている。

 2014年5月に発刊された「少年が来る」は、1980年に南部・光州で起きた民主化運動(光州事件)を背景に、戒厳軍の武力鎮圧で命を落とすことになった中学生と周りの人たちの残酷な運命を描いた。

 文大統領は昨年8月、光州事件当時に空軍戦闘機の出撃待機命令があったかどうかや、戒厳軍が武装市民に向かって無差別射撃を行ったかどうかについて特別調査を行うよう指示している。今回この作品を選んだのは、被害者への追悼の心と真相究明に向けた意志が反映されたようだ。

 「平壌の時間はソウルの時間と共に流れる」は、韓国人として初めて平壌特派員として活動した秦氏が、昨年10月から今年7月まで4回にわたり行った北朝鮮での単独取材でとらえた現地の様子を収めた作品だ。

 青瓦台は「携帯電話を日常的に使用する北の住民の姿、平安道の広大な平野と人々でにぎわう通り、子どもたちの純粋な姿など、われわれの日常と変わらない最近の人々の姿が文章と写真に収められている」と紹介した。

 文大統領はこれまで南北関係改善や朝鮮半島の非核化と平和定着のための努力を続けてきたことから、この本を読むことで北朝鮮の姿を再び目に焼き付けようとしていると分析される。

 小説「国手」は壬午軍乱(1882)、甲申政変(1884)から東学農民運動(甲午農民戦争、1894)前夜までの時代を背景にした小説で、囲碁をはじめ音楽や書、絵画などで最高峰に立った芸術家たちの物語を描いた。

 青瓦台は「文大統領は現在は業務に追われて囲碁を打つ時間がないが、中学時代に囲碁を始め、相当な実力だったそうだ」と伝えた。

 文大統領は今年の夏休みを中部の忠清南道・鶏竜台などで過ごし、近辺の軍施設を視察して関係者を激励したほか、金正淑(キム・ジョンスク)夫人と共に中部・大田市の長泰山自然休養林を散策した。

 青瓦台は「長泰山休養林にはメタセコイア並木があり、森林浴を楽しむのに適した場所だ」と説明した。


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