米ニューヨークで今月21日に会談した文在寅(ムン・ジェイン)大統領(左)とトランプ大統領=(聯合ニュース)
米ニューヨークで今月21日に会談した文在寅(ムン・ジェイン)大統領(左)とトランプ大統領=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮核問題を巡る米朝間の威嚇の応酬がチキンレースの様相を帯びる中、対北朝鮮政策に関する韓米の緊密な調整が急がれるとの指摘が強まっている。 韓国政府は北朝鮮の挑発を抑え込むため米国主導の制裁・圧力に積極的に加わる一方、北朝鮮の核・ミサイル能力を本土への脅威と認識し始めた米国が北朝鮮に対する独自の軍事行動に出て軍事的衝突が起きることを警戒し、「平和的な状況管理」を強調している。 外交関係者らは、こうした韓国政府の立場と、北朝鮮に「最大の圧力」をかけるとするトランプ米政権の方針には微妙な温度差があり得ると指摘する。 韓国外交部傘下・国立外交院の申範チョル(シン・ボムチョル)教授は27日、韓国がいう朝鮮半島情勢の安定的管理とは軍事的緊張の高まりを防ごうというものだとし、「朝鮮半島で戦争の危機が高まった場合、米国はすぐに本土が戦場になるわけではないため果敢な圧力を行使できるが、韓国は戦争防止を最優先とせざるを得ない」と説明した。 こうした状況の中、政府関係者や専門家は韓米間の緊密な政策調整がいつにも増して重要だと口をそろえる。外交による平和的な北朝鮮非核化という共通の目標を方法論の相違によって見失わないようにし、米国の独断的な対北朝鮮軍事行動への不安を解消するため、密接な対話が必要だとの指摘だ。 申氏は「危機の時ほど韓米の連携が最も重要になる。やむを得ず意見がすれ違ったとしてもそれが表面化しないように管理するには、先制的、能動的な対米外交が必要だ」と助言している。 韓国・韓東大の朴元坤(パク・ウォンゴン)教授(国際関係学)は「北が(核武装を完成させたと判断して)核・ミサイル実験の凍結を宣言し、対話の姿勢を見せる場合に備え、韓米が綿密に調整すべきだ」と指摘する。北朝鮮が凍結を宣言した場合、米国は非核化に向けた具体的な措置が取られるまで制裁・圧力を維持しようとする一方、韓国は全面的な南北関係の改善を模索する可能性があるとし、「韓米が6月の首脳会談で合意した北核問題に関する高官級の協議体を速やかに稼働させ、対北でシナリオごとに共同のロードマップ(行程表)を作成すべきだ」と提言している。
Copyright 2017(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0