昨年行われた新型高速艇の進水式(資料写真)=(聯合ニュース)
昨年行われた新型高速艇の進水式(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】2002年6月に北朝鮮に近い韓国の延坪島周辺海域で起きた韓国と北朝鮮による銃撃戦、第2延坪海戦から29日で丸15年となる。黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越えてきた北朝鮮警備艇の奇襲攻撃で始まったこの海戦で、韓国海軍は戦死者6人、負傷者19人の被害を出しながらも不屈の精神力で北朝鮮の警備艇を退却させ、NLLを守った。北朝鮮側にも約30人の死傷者が出た。 この間、韓国海軍の戦力は大幅に向上した。海軍は28日、海戦が起きた15年前には130トン級の高速艇がNLLの警備を担っていたが、今は400トン級の尹永夏(ユン・ヨンハ)級ミサイル高速艇と210トン級の新型高速艇にかわったと伝えた。 海戦の主役だった旧型の高速艇は口径20ミリと40ミリの艦砲しか持たず、接近してきた北朝鮮の艦艇に対戦車ロケット砲のRPG7で攻撃されるとなすすべがなかった。当時は北朝鮮の艦艇を遠距離から攻撃できる対艦ミサイルを持っていなかった。 だが、現在の尹永夏級ミサイル高速艇はレーダーに探知されにくいステルス性を持つ船体に口径76ミリの艦砲と対艦ミサイルを搭載している。艦艇の推進方式もスクリューからウオータージェットにかわり、より速く、自由自在に動けるようになった。また、今年後半に海軍に引き渡される210トン級新型高速艇は76ミリ艦砲と130ミリ誘導ロケット弾を搭載しており、遠距離から北朝鮮の警備艇やホバークラフトを狙うことができる。 海軍はあわせて、NLLの警戒に当たっていた1000トン級哨戒艦と1500トン級護衛艦を、2500トン級護衛艦(仁川級)と2800トン級護衛艦(大邱級)に入れかえる事業を行っている。 これら新型護衛艦は射程150キロの戦術艦対地ミサイルを搭載している。北朝鮮が陸から海に向けてミサイルや砲を撃ってきた場合、海上から北朝鮮の地上の拠点や支援勢力を攻撃できると海軍は説明している。 また、新型護衛艦は北朝鮮潜水艦の探知能力が高いソナー(音波探知機)を備えており、海上作戦ヘリコプターのAW159(ワイルドキャット)やリンクスを搭載することで海上と空中から立体的な作戦を遂行できる。 現在、仁川級護衛艦は6隻が作戦配備されている。大邱級護衛艦は一番艦が年末に海軍へ引き渡され、来年後半にNLLを守る任務に就く。 海軍は、02年以降、4400トン級駆逐艦6隻や7600トン級イージス駆逐艦3隻などが加わり、水上艦戦力が飛躍的に高まったと伝えている。 韓国軍当局は一方、北朝鮮は第2延坪海戦以降に海上戦力を1.5倍程度に増強したと見込んでいる。機動性を備えた警備艇が大幅に増え、NLL付近で毎日10~12隻が活動しているという。 北朝鮮軍は延坪島から北西に4.5キロ離れた無人島に覆いのある有蓋型陣地を築き、口径122ミリのロケット砲(射程20キロ)6門と50~60人の兵士を配した。ロケット砲はNLL付近の韓国の軍艦を射程圏に収める。 北朝鮮軍はまた、延坪島から北東に12キロ離れた無人島にも高さ20メートルの鉄塔を建てて高性能の監視機器やレーダーを配備し、兵士約20人を常駐させた。兵士の中には特殊部隊員もいるとみられている。
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