THAAD問題で韓中関係は冷え込みが続く。写真はイメージ=(聯合ニュースTV)
THAAD問題で韓中関係は冷え込みが続く。写真はイメージ=(聯合ニュースTV)
【北京聯合ニュース】韓国と中国が24日、1992年の国交正常化から24周年を迎える。 北朝鮮問題で情勢が複雑な北東アジアにおいて、中国は韓国にとって「近くも遠い」隣国だった。韓中は、経済面では緊密な相互補完関係を維持する一方、政治・外交面では摩擦を起こすことも少なくなかった。 特に、現在は中国が反対する米最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD、サード)」の韓国配備問題や北朝鮮の核・ミサイル開発問題が絡み合い、両国関係は冷え込んでいる。ただ、その一方で、これまで積み上げた経済・文化面でのきずなを基に相互交流は続くという、複雑な状況が生まれている。◇雪解けの兆し見えない韓中関係 北京の消息筋によると、国交正常化24周年の今年は節目の年でないこともあり、韓中は国レベルの特別記念行事を準備していないという。 韓中関係は、中国が自国の利益を損なうとしてTHAADの韓国配備に反対したことで大きく冷え込み、雪解けの兆しは見えていない。韓国政府は配備について、北朝鮮の核脅威に備えた自衛的な措置だとし、中国への影響はないと説得しているが、中国は聞く耳を持たない。 こうした状況は、両国間の政治や経済、文化など多方面に悪影響を与えている。配備に反対する韓国野党国会議員による先の訪中は大きな波紋を呼び、中国政府が韓国の財やサービスの輸入を制限し、韓国への投資などを一部棚上げしているとの報道も韓国企業をおびえさせている。 北京駐在の韓国財界関係者は「例年と違い、今年は国交正常化を記念するムードが全くない。THAADに端を発した関係の冷え込みにより、貿易面で報復を受けるのではないかと企業は戦々恐々としている」と伝えた。◇民間交流は持続 だが、朴槿恵(パク・クネ)大統領が就任後、中国との経済、民間、文化交流を大幅に増やしたこともあり、こうした悪条件の中でも韓中の民間交流が通常通り行われるほど、両国関係は深まった。 THAADの配備決定後の1カ月間、南東部の大邱国際空港から韓国に入国した中国人は1万2000人超と、昨年の同期間に比べ10倍以上多かった。昨夏は韓国での中東呼吸器症候群(MERS)流行の影響で中国人客が激減したことを考慮しても、夏休みシーズンに少なくない中国人が大邱地域を訪れたことになる。 中国共産党機関紙・人民日報系の英字紙グローバル・タイムズは、THAAD配備に対する報復として中国が韓流を規制したといううわさが広がっている中でも、中国の熱狂的なファンは今なお韓流が好きなようだと報じた。特に、韓流は大半の若いファンにとってもはや外国文化ではなく、政府が禁止するからとこうしたファンが背を向けるようには思えないとも伝えた。自らを韓流ファンと称する中国人は1760万人に達し、韓流は今や中国で一つの「巨大な現象」となっている。 また、韓中は互いにとって重要な貿易パートナーでもある。両国の昨年の貿易額は2273億ドル(現在のレートで約22兆7400億円)で、韓国の貿易に中国が占める割合は31.8%と、2位の米国(13.3%)を圧倒的に上回る。韓国の昨年の対中黒字は451億4000万ドルで、黒字総額の42.6%を占めた。また、中国にとっても韓国は3位の貿易相手国だ。 北京の消息筋は、THAAD問題のため韓中関係は明らかに普段とは違うとしながらも、「中国は韓国と自由貿易協定(FTA)を結んでおり、両国は経済や文化などで相互補完的な位置にいるため、どんな形であれ一緒に歩む道を探すだろう」と話した。
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