韓国で刊行された共同歴史教材の3冊目=(聯合ニュース)
韓国で刊行された共同歴史教材の3冊目=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国と日本の歴史教師らがともに執筆した教材「向かいあう日本と韓国・朝鮮の歴史」シリーズ3冊目「近現代編」がこのほど韓国で刊行された。韓国の全国歴史教師の会と、日本の歴史教育者協議会が制作した共同歴史教材で、韓国でのタイトルは「向かいあう韓日史」となっている。
 両団体は2001年の日本の歴史教科書歪曲(わいきょく)問題をきっかけに交流を開始。翌年、共通の歴史教材を出版することで合意した。
 両国が互いに理解し共存する未来をつくるという趣旨の下、話し合いを重ね06年に「前近代編」(上・下)を出版した。
 今回出版された近現代編は制作に8年が費やされた。日本の独島領有権主張や旧日本軍の慰安婦問題など現在も議論が進行中の懸案が含まれたため、長く深い議論の過程を経ることになった。
 両国の教師らは電子メールで原稿をやり取りしながら意見を交わしてきた。また、夏休みなどに10回以上、互いに訪問し合い編集会議を開催した。
 一部懸案をめぐって双方の意見が衝突することもあった。
 近現代編で両国の教師らは慰安婦が「戦争犯罪」であるという観点を共有し、日本政府による謝罪と賠償は不十分であるというコンセンサスに達する成果も得た。
 教材では慰安婦問題を単なる歴史として記述するのではなく、戦争と女性の人権という問題に焦点を当て暴力に立ち向かう国際連携を強調した。
 さらに、日本の植民地支配に抵抗した韓国の民衆や、戦争と帝国主義に反対した日本の市民社会や民衆運動を通じ平和と人権の重要性についても言及した。
 だが、独島問題については両国の教師らの見解が食い違ったため両国の立場の違いをまとめるにとどまった。

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