【永宗島聯合ニュース】昨年4月にソマリア海賊に拉致され、今月1日に約1年7か月ぶりに解放された化学物質運搬船「ジェミニ」(シンガポール船籍)の韓国人船員4人が5日、韓国に到着した。
 4日にケニア・ナイロビの空港を発ち仁川国際空港に到着した4人は、多少疲れた様子だったが、昨年3月28日に韓国を出港して以来の帰国に明るい表情を見せた。
 パク・ヒョンヨル船長はこの日の記者会見で「私たちが無事に救出されるよう心配してくださった国民の皆さんと、釈放に向け努力を惜しまず尽くしてくださった政府に感謝する」と頭を下げた。
 パク船長は「悪天候で救助船が引き返したときは絶望的になり海に飛び込みたかった。その後、太極マーク(韓国国旗)をつけたヘリコプターを見たときの感激は忘れられない。ヘリコプターから下ろされた救助ロープは天から下ろされたロープのようだった」と当時の心境を語った。
 健康診断を受けた4人は、10キロほど体重が減っているものの健康状態に大きな異常はないという。
 4人は所属するシンガポール船舶会社がソマリア海賊と交渉し解放に至った。記者らに「直接交渉に臨まなかった政府を恨んでいないか」と聞かれると、機関士のイ・サンフン氏は「私たちができることは何もなかった。だから期待もしたし恨みもした」と話した。
 機関長のキム・ヒョンオン氏は「万一、またこういう事件が起こったときには、(政府が)本国から自国民を保護し救出するというメッセージを送ってくれれば希望を持って持ちこたえられると思う」と述べた。
 この日、国土海洋部や外交通商部の関係者も空港で4人を出迎えた。
 4人はこの後、仁川空港から国内線で釜山近郊の金海空港に移動し、故郷で家族との再会を果たす。

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