「めぐりくる春」=(聯合ニュース)
「めぐりくる春」=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】「血と骨」「闇の子供たち」などで知られる在日小説家、梁石日(ヤン・ソギル)さんの「めぐりくる春」が、韓国で出版された。

 2010年8月に日本で出版された同小説は、従軍慰安婦として連行された朝鮮人女性の物語。翻訳者によると、「慰安婦を題材に日本語で書かれた初めての小説」だ。
 東京に居住する梁さんは18日、聯合ニュースとの電話インタビューで、「日本人は慰安婦問題にほとんど無知。慰安婦問題を小説として残しておく必要があると思った」と執筆動機を説明した。
 小説は日本人の慰安婦支援活動家や韓国での取材などを通じ、従軍慰安婦の過酷な運命と真実を浮き彫りにしている。17歳の主人公が中国、シンガポールなどの戦場で残酷な性的虐待を受けるシーンでは思わず、眉をひそめてしまう。
 梁さんは「痛ましい気持ちだったが、できるだけ客観的に書こうと努力した。現実に目を背けず、受け入れる姿勢が必要だ」と話す。
 慰安婦問題を題材にしているだけに、日本の右翼から批判が多かった。それでも梁さんは「私の文学観として慰安婦問題は避けて通れない問題だった」と語る。また、慰安婦問題を解決するためには「無関心が最も恐ろしい敵。韓国でより多く取り上げられるべきだ」と呼び掛けた。 

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