【ワシントン聯合ニュース】北朝鮮で近ごろ市場経済が拡大しつつあり、金正日(キム・ジョンイル)政権がこの統制をめぐりジレンマに陥っているとの見方が示された。
 統一研究院のパク・ヒョンジュン研究員は19日、米ワシントンの平和研究所(USIP)で行われた討論会で、「北朝鮮政権は市場独占権を権力機関に割り当て、中心的な市場参加者、受益者となっている」と述べ、北朝鮮の市場経済拡大には住民だけでなく政権も関与していると指摘した。
 その一方で、北朝鮮は市場経済の拡大が持つ政治的リスクを管理せねばならない状況に陥っているとし、さまざまな規制で市場に介入することで、こうしたジレンマを解消しようとしていると説明した。中国の経済改革スローガンは「すべての人を金持ちに」だが、北朝鮮はまず権力層の富を肥やすことを目標としていると強調した。
インターネット新聞・デイリーNKの朴仁鎬(パク・インホ)代表も「金正日政権が市場拡大を食い止めるのはもはや不可能も同然。そのため、統制可能な範囲で市場化が進むようにしている」と、北朝鮮政権の「市場経済ジレンマ」を指摘した。北朝鮮が市場化を統制するには、配給を実施するか専業主婦の商業活動を禁止する必要があるが、実際には配給能力がなく、女性を統制する余力もないと説明した。
 また、北朝鮮で権力が金総書記から三男の正恩(ジョンウン)氏に移った後は、知識階層と市場メカニズムを理解する階層だけが政権を率いることができるだろうとし、「結局は国際社会がこれをどう支援・指導していくかが重要となり、そうした意味で中国の役割が重要になってくる」と強調した。

Copyright 2011(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0