【ソウル17日聯合ニュース】北朝鮮が経済難克服に向け、独自の技術や国内で調達できる原料を活用した「主体(チュチェ)技術」にまい進しているが、技術レベルや成果の面で限界が明らかになっていると伝えられた。
 統一部が17日に明らかにしたところによると、北朝鮮は昨年11月のデノミネーション(通貨呼称単位の変更)失敗の副作用、国際社会の対北朝鮮制裁の強化などで悪化した経済難を克服するため、「主体技術」を通じた「経済主体化」の実現を強調している。
 朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は8日付の社説で、主体化は故金日成主席の遺訓であり、北朝鮮経済の絶対不変の進路だと主張。「主体化の砲声が高く上がってこそ、経済大国への道が開かれる」と強調した。こうした動きは、政治思想、軍事大国の達成に続き経済大国を建設し、故金日成主席の生誕100周年になる2012年に「強盛大国」の扉を開くいう宣伝と脈を同じくするものだ。
 「主体技術」は、「主体鉄」「主体肥料」「主体繊維」「CNC」など。主体鉄とは、全量を輸入に依存しなければならないコークス炭に代わり、埋蔵量が豊富な無煙炭を活用し独自に開発した技術で生産した鉄鋼。石炭ガス化技術を用い生産した混合ガスを肥料用アンモニア生産に活用し生産したものが主体肥料、北朝鮮内の石灰石と無煙炭を原料に独自技術で生産したビナロンが主体繊維と呼ばれる。CNCは数値制御技術とコンピューターを連係し自動的に精密な機械的加工に利用される技術で、金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者となった三男の正恩(ジョンウン)氏(朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長)の功績だと宣伝されているという。
 金総書記は、「主体技術」を生産に適用している金策製鉄連合企業所、南興青年化学連合企業所、2・8ビナロン連合企業所、端川鉱山機械工場など関連工場と施設を随時視察し、経済成長を督励している。
 しかし、対北朝鮮専門家らは、「主体技術」は世界に通用する生産技法やレベルとはかけ離れており、成果を生むには限界があると指摘する。「主体技術」は主に石炭を原料としているが、北朝鮮の石炭生産量は極めて少ない。主体鉄の生産に利用される最高電力電気炉とビナロンの原料カーバイドの生産などに、多くの電力が必要となることも限界だという。CNCに関しても、韓国とは大きな技術格差があると伝えられる。
 北朝鮮自らも「主体技術」の限界を認識しているかのように、具体的成果目標を掲げるのではなく、「自立経済」「経済主体化」などの号令で経済大国達成の重要性を強調しているようだ。
 昨年の北朝鮮の主要産業生産指標は、「主体技術」の強調にも、1990年代と大きく変わっていない。統計庁の資料によると、1990年の北朝鮮は発電量277億キロワット、石炭生産3315万トン、鉄鉱石生産843万トン、化学肥料生産89万トン、原油輸入1847万バレルなど。これに対し、昨年はそれぞれ85%、77%、59%、54%、21%水準にとどまり、生産量が大幅に減少した。対北朝鮮制裁などによる北朝鮮経済の萎縮と「主体技術」の限界を端的に示している。
 北朝鮮は1980年代末に最高の生産水準を突破したと宣伝しているが、昨年の主要産業生産指数は1989年をも下回っている。

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