【ソウル6日聯合ニュース】先月末から1週間にわたり、咸鏡道を現地視察している北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、「主体鉄」を生産する金策製鉄連合企業所を訪れ「自立的な経済建設路線」を強調し、注目を集めている。
 北朝鮮が生産している主体鉄とは、鉄鉱石の不純物を取り除く工程で必要な重油やコークスの代わりに、北朝鮮産の無煙炭を使用する鉄鋼を指す。重油やコークスの輸入負担は軽くなるが、生産効率は非常に落ちると評価される。
 昨年12月19日付の朝鮮中央通信報道によると、金総書記は主体鉄の生産体制を初めて構築した咸鏡北道・金策の城津製鋼連合企業所を視察し、「主体鉄の生産は3度目の核実験より偉大な勝利」だと絶賛した。その後、主体鉄の生産体制は金策製鉄連合企業所、黄海製鉄連合企業所などに導入された。金総書記による金策製鉄連合企業所の視察は、昨年12月とことし3月に続き3回目となる。
 朝鮮中央通信が6日に報じたところによると、金総書記は金策製鉄連合企業所で主体鉄の生産ラインなどを見学し、「主要経済部門の自立性強化により、どのような環境でもわれわれの資源、技術で自立経済を発展できるようになった」と評価した。その上で、「厳しい闘争を通じ、真理性と生活力が証明されたこの路線を、経済建設の変わらない生命線にしていくべきだ」と強調した。
 また、「労働階級が成功させた主体鉄の生産方法は、主体思想で武装した愛国者だけが創造できる奇跡」だと評価。鉄鋼材の生産をハイレベルで正常化するため、生産工程の近代化、後継者で三男の正恩(ジョンウン)氏の指導実績とされるコンピューター数値制御(CNC)化を実現することが特に重要だと強調した。
 金総書記は同道の清津市に位置する羅南炭鉱機械連合企業所も視察し、工場のCNC化過程で成し遂げた成果に基づき、科学技術の発展を進めていくべきだと指示。正恩氏を象徴するCNCの重要性を改めて強調した。
 続けて、金属、機械など基幹工業を有している咸鏡北道は国の経済発展において重要な位置を占めており、「強盛大国」に向けた闘争の先頭に立たなければならないと指摘した。
 今回の視察には金基南(キム・ギナム)、洪錫亨(ホン・ソクヒョン)党政治局員(党書記兼任)、金総書記の妹・金敬姫(キム・ギョンヒ)政治局員(党軽工業部部長兼任)とその夫の張成沢(チャン・ソンテク)政治局員候補(国防委員会副委員長兼任)、朴道春(パク・ドチュン)政治局員候補(党書記兼任)、玄哲海(ヒョン・チョルヘ)、李明秀(リ・ミョンス)国防委員会局長らが随行した。
 今回の視察期間中、金正恩氏は随行員のリストに1回も含まれず、同行しなかったものとみられる。

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