【ソウル22日聯合ニュース】北朝鮮では食糧難のため約10年間で60万人を上回る人口損失が発生したと推算された。また期待寿命は韓国に比べ11歳程度短く、ことしの総人口は2419万人で世界49位の水準だとされた。
 統計庁は22日、北朝鮮の人口一斉調査(1993、2008年)資料を基に、各界専門家の諮問会議や北朝鮮を脱出した脱北者との面談結果などを盛り込み作成した「1993~2055北朝鮮人口推計」を発表した。
 北朝鮮の期待寿命は男性64.1歳、女性71歳で、韓国に比べ11歳ほど短く、男性は韓国の1984年、女性は1982年水準だった。1990年代初めからの食糧難の悪化とともに期待寿命も短くなり、食糧難がピークに達した1998年には最低水準(男性59.5歳、女性66.4歳)に落ち込んだ。その後の国際機関などの食糧支援、作柄の一部改善などで食糧難が緩和され、期待寿命も次第に回復を見せている。
 北朝鮮の合計特殊出生率(1人の女性が一生に生む子どもの平均数)は、1993年には2.17人水準だったが、食糧難で婚姻と出産が減り、1998年に1.96人まで下落した。2008年には2.02人に回復した。
 北朝鮮の食糧難による超過死亡は48万2000人で、出生損失は12万8000人に達した。超過死亡は食糧難の影響で正常な死力水準を超過した死亡規模を、出生損失は食糧難の影響で減少した出生規模をそれぞれ意味する。北朝鮮の食糧難は進行や回復が比較的長期間に及ぶため、超過死亡は1994~2005年の12年間、出生損失は1995~2004年の10年間続いたとみられる。
 脱北者を対象に行った身体測定の結果、平均身長や体重は年齢が若いほど韓国との差が大きかった。19~29歳の男女を比較すると、身長は北朝鮮が韓国より男性8.8センチ、女性6.5センチ低く、体重も男性で14.3キログラム、女性で4.5キログラム少なかった。
 脱北は1996年から増加し、1997年に急増。1998年にピークに達した。当初は女性が圧倒的多かったが、最近は性別の均衡がみられる。年齢別では男性は20歳と40歳前後が、女性は30代が多かった。
 将来人口推計によると、ことしの北朝鮮人口は2418万7000人で、韓国の49.5%水準、世界49位だった。韓国は26位で、南北を合わせると世界19位となる。
 北朝鮮の人口増加ペースは韓国を上回っており、2014年の北朝鮮人口は韓国人口の50.1%に達し、2050年には61.9%まで増えると見込まれる。
 北朝鮮が高齢社会(65歳以上人口が全体の14%以上)に入るのは2033年で、韓国の15年後になると予想された。生産年齢人口(15~64歳)はことし1658万1000人で、毎年増加を続け、2022年に1791万8000人で最大規模になる見通し。
 ことしの北朝鮮人口の期待寿命は男性64.9歳、女性71.7歳で、韓国に比べ男性11.3年、女性は11.2年短い。人口1000人当たりの出生数を示す粗出生率は14.4で、韓国より5.5ポイント高かった。人口1000人当たりの死亡数を示す粗死亡率は9.1で、高齢化に伴い2020年に11.0、2055年には14.0に達すると予想された。
 このほか北朝鮮人口の自然増加は2038年からマイナスに転じるとされた。

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