国会本会議での採決のようす=29日、ソウル(聯合ニュース)
国会本会議での採決のようす=29日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル29日聯合ニュース】忠清南道燕岐郡世宗市への行政機関移転を白紙化する内容の世宗市計画修正案「新行政首都後続対策に向けた燕岐・公州地域行政中心複合都市建設特別法改正案」が、29日の国会本会議で否決された。採決は在籍議員291人中275人が出席し、6人が棄権。賛成105票、反対164票だった。
 2002年9月に当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)民主党大統領候補が青瓦台(大統領府)を含む中央政府機関を忠清道圏に移転する「新行政首都建設」公約を発表し争点となった「世宗市計画」は、現政権に入り鄭雲燦(チョン・ウンチャン)首相が内定した昨年9月から修正案論争が続いたが、これでひとまず終止符が打たれることとなった。9部2処2庁の行政機関移転を骨子とする原案の「行政中心複合都市」の建設が進められる見通しだ。
 世宗市計画修正案は、16日に国会国土海洋委員会で否決された。しかし、与党ハンナラ党が「歴史の記録のため本会議で全議員の賛否を問うべき」との考えを示し、所属議員66人が本会議に回付した。
 与党は統一地方選挙の敗北に続き、李明博(イ・ミョンバク)大統領が力点事業として進めてきた世宗市計画の修正が暗礁に乗り上げたことで、今後の国政運営に困難が予想される。また今後、世宗市原案を進めていく過程で、国際科学ビジネスベルトの誘致をはじめとする「プラスアルファ」をめぐる論争が再燃するなど、世宗市論争が第2ラウンドを迎える可能性もある。
 ハンナラ党のチョ海珍(チョ・ヘジン)報道官は、「地方選挙で確認した国民の意志を国会が正しい手続きを経て確定した。国民の勝利だ。政府は中断された国家均衡発展政策とその象徴である世宗市の迅速な原案建設推進にまい進すべきだ」との論評を出した。
 自由先進党の朴宣映(パク・ソンヨン)報道官は「万事は必ず正しきに帰する。大統領は謝罪し世宗市特任首相は即刻辞退せよ」と述べ、鄭首相の退陣を求めた。
 一方、青瓦台の金恩慧(キム・ウンヘ)報道官によると、李大統領は訪問先のパナマで世宗市修正案否決の知らせを受け、国政運営の責任を負う大統領として深く遺憾に思うとしながらも、「国会の決定を尊重する」と述べた。今後は世宗市をめぐる対立を乗り越え、国家先進化に向けともに歩んでもらいたいと呼びかけた。



Copyright 2010(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0