李健熙前サムスングループ会長(資料写真)=(聯合ニュース)
李健熙前サムスングループ会長(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル23日聯合ニュース】李健熙(イ・ゴンヒ)前サムスングループ会長の赦免論が急浮上し、財界の関心を集めている。赦免は宣告された刑の効果をなくすもので、国家元首の特権で行われる。
 李前会長は8月、サムスンSDSの新株予約権付社債(ワラント債)低価発行事件の差し戻し審で、一部背任・脱税の罪が確定し、懲役3年、執行猶予5年、罰金1100億ウォン(約84億円)を言い渡された。
 赦免論が出た背景には、何よりも国家的に重要な時期に国際オリンピック委員会(IOC)委員を務める李前会長の手腕を最大限活用すべきとの論理がある。赦免を最初に提起したのも、2018年冬季五輪の平昌招致を目指す金振ソン(キム・ジンソン)江原道知事だ。招致委員会の共同委員長を務める金知事は先ごろ、五輪誘致にはIOC委員の活動が最も重要だが、韓国は文大成(ムン・デソン)選手委員しかいない状態だと述べ、3度目となる招致戦の成功に向け、李前会長の赦免・復権を政府に申し入れる姿勢を示した。

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 李前会長は一審、二審で有罪判決を受けた後の昨年7月、自身の司法上の問題が解消されるまでIOC委員の資格を「自発的に」停止することを決め、その旨をIOC執行委員会に伝えた。そのため、ことし8月に確定した刑が有効である以上、李前会長のIOC活動再開は期待し難い状況だ。
 来年2月のバンクーバー冬季五輪の際に開かれるIOC総会は、2018年冬季五輪の開催地決定(2011年)を控えて開かれる最後の総会となり、招致合戦がピークに達すると見込まれる。招致委員会側は19日に記者会見を開き、さまざまな人脈を有する李前会長の活動再開に向け、赦免を訴えた。
 これと関連し、大韓商工会議所の孫京植(ソン・ギョンシク)会長は20日に記者らと会い、「冬季五輪の招致だけでなく、国の経済のためにも李前会長が年内に赦免を受けられるよう望んでいる」と表明した。クリスマスの特別赦免を念頭に置いた発言と受け止められる。
 スポーツ界と財界を中心に広がりつつある李前会長の赦免論に対し、サムスンは沈黙を守っている。サムスンにとって、赦免問題はオーナー中心体制への正常化を実現する足がかりになり得る一方、社会的な論争の中心にはまり込む契機にもなりかねない。いわば「諸刃の刃」だ。
 財界消息筋は、李前会長の赦免論はサムスンにとって「甘いとも苦いともいえない微妙な問題」だと話した。
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