【ソウル30日聯合】韓米間の300億ドルの通貨スワップ協定締結は、国内金融市場全般に肯定的な影響を与えるものと期待される。韓国としては、ウォンを渡し相応のドルを受け取るため「第2の外貨準備高」ができた形だ。特に、ドルを発行する米連邦準備理事会(FRB)が韓国の後ろでドルを供給するということ自体が、外国為替市場の安定に大きく寄与するものとみられる。
 外国為替市場の安定はウォンの対ドル相場を押し上げ、韓国銀行の金利引き下げ余力を育てるという点で、通貨スワップ協定の締結は金融市場全般だけでなく経済不況の克服にも少なからず役立つ見通しだ。韓国銀行はこれまで、金利を下げると外国人投資家が債券市場から資金を引き上げ、外貨流動性不足を招く懸念があることから、利下げに大きな負担を感じていた。

キム・ジュン の最新ニュースまとめ

 専門家らも、今回の協定でドル流動性に対する懸念が大きく解消され、株式市場に好材料として働きかけるものと見込んでいる。

 韓米の通貨スワップ協定締結は、1ドル=1400ウォン台に下落したウォン・ドル相場を押し上げる要因としてすぐにも作用すると期待される。最近は外国為替当局が大胆な外貨供給策を相次ぎ打ち出したが、外為市場でのドル流動性不安は消えず、ウォンも急落をみせていた。今回の協定締結は、外国為替市場に残る疑心を払しょくする効果を発揮するものと思われる。

 韓国銀行の李成太(イ・ソンテ)総裁は30日午前に通貨スワップ協定締結に関する記者会見を開き、今回の協定は外貨準備高を拡充する効果に加え、外国為替市場の安定にも非常に役立つと説明した。

 また協定締結は、最近不安な流れをみせていた株式市場にも良い影響を与えそうだ。株式市場に悪影響を及ぼしてきた外為市場不安が鎮静され、急騰しているクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)プレミアムの安定にも役立つと予想されるためだ。

 トーラス証券のイ・ギョンス研究員は、今回の協定により外貨流動性の面で安全弁が追加され、ドル調達金利も2%水準に低まるとし、株式市場にも好材料として作用するとの見通しを示した。SK証券のキム・ジュンギ投資戦略チーム長も、「株式市場への大型好材料」と評し、最近の外為市場の変動性が国内金融危機の核となっていたが、流動性リスクが大きく緩和されたことで相場も安定する可能性があると説明した。

 ただ、通貨スワップ協定ですべての問題が一度に解決されるわけではないというのが専門家らの見方だ。ドルを発行する米国の経済が不安に陥っている上、国内金融機関の外貨流動性だけでなく、企業などその他の部分の不良懸念も大きいためだ。金融業界関係者は、今回の通貨スワップ規模が不十分だと市場が判断すれば、株式市場などでの効果は象徴的なものにとどまりかねないと懸念を示した。

Copyright 2008(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0