寄贈物を前にあいさつを述べる雨宮さん=25日、大田(聯合)
寄贈物を前にあいさつを述べる雨宮さん=25日、大田(聯合)
【大田25日聯合】忠清南道の公州で幼少時代を過ごした日本人が、自らが所蔵する韓国の歴史遺物300点余りを道に寄贈した。日本植民地時代に公州で暮らし、同地に縁のある日本人の集まり「公州会」の会長を務める雨宮宏輔さんが、25日に忠清南道庁を訪問し、李完九(イ・ワング)道知事に68種328点の遺物寄贈書を手渡した。

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 雨宮さんは公州で生まれ、中学1年生だった1945年、日本の太平洋戦争敗北と同時に日本へ引き揚げた。寄贈した遺物は、磨製石剣、青銅の鏡、粉青沙器の皿、白磁の沙鉢、硯(すずり)、漆塗りの器、植民地時代の国内写真が印刷された郵便はがき、大韓帝国関連の郵便はがき、朝鮮総督府施政記念や朝鮮博覧会の絵はがきなど、青銅器時代から日本植民地時代までを網羅している。これらは雨宮さんの父親が所蔵していた遺物の一部で、父親は公州で事業をしながら趣味で骨董品を集めていたが、解放直後の混乱で大半が盗まれたという。

 寄贈された遺物はまだ精密な鑑定評価を受けていないが、道の歴史文化研究院によると、鳥や花を彫りこんだ青磁の平鉢、内と外に点列を精巧に刻んだ印花紋の粉青沙器は文化財的価値が高いと評価された。

 雨宮さんは、公州の市民団体などが文化財返還運動を展開していると聞き、所蔵物の寄贈を決めたという。「ようやく遺物が本来の場を探し当てたようで満足している」と話した。

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