『冬のソナタ』などドラマに端を発した”韓流”は、アイドルグループを中心とするK-POP(韓国歌謡)へと、その中心軸を移している。

少女時代 の最新ニュースまとめ

 日本のオリコンシングル週間ランキングトップ3入りという、海外女性グループとしては30年ぶりの快挙を成し遂げた少女時代、同アルバム週間ランキングで2位に入った<KARA>、中華圏の各音楽チャートで1位を記録した<SUPER JUNIOR>をはじめ、<CNBLUE>、<BEAST>などアイドルグループが相次ぎ繰り出す海外進出「成績表」が、それを裏付けている。

 国内外の音楽専門家らは、「韓流第2ラウンド」の幕を開けたK-POPブームを”新韓流”と呼ぶ。新韓流の特徴は、「韓流=ドラマ・映画」「韓流ファン=高年齢層」という構図を壊したことだ。主な消費者層は韓国ドラマや映画に熱狂した40~50代から、K-POPに熱狂する10~30代にシフトし、韓流のジャンルも多様化され、その定義が変化しつつある。

 少女時代の所属事務所SMエンターテインメントの金英敏(キム・ヨンミン)代表は、海外「ヤング・ジェネレーション」のK-POPに対する熱狂が、今後の韓流の維持と成長に向けた潜在力を高めたと評価する。

 こうした状況は、体系的な歌手育成システムを通じたレベルの高い音楽制作力、戦略的な海外マーケティング、世界中にコンテンツを広めたデジタルメディア環境などが複合的に作用した結果だ。K-POPの勢いはアジアを超え米国、欧州、中南米まで広がっており、さらに規模が拡大する可能性もある。

 韓国のアイドルグループが韓国の空港で数百人のファンに出迎えられ、公演チケットが完売するのも、もはや珍しい風景ではなくなった。国籍や言葉の異なる海外のファンがK-POPに熱狂するその根底には、歌唱、ダンス、外国語(現地語)の実力と質の高い音楽、洗練されたスタイルなどを備えた「作りこまれたコンテンツ」があるとの見方が支配的だ。

 <4Minute>や<BEAST>らが所属するキューブエンターテインメントのホン・スンソン代表によると、韓国では音楽市場の小ささに対する不安から、10年前からアジアをひとつの市場とみなし、「脱韓国用コンテンツ」を準備してきた。国内外での人材発掘、システマチックな歌手育成、洗練された音楽作り、戦略的な海外マーケティングなどの効果が今、表れているとの説明だ。

 日本の月刊音楽誌<ミュージック・マガジン>の高橋修編集長は、韓国アイドルについて「芸能界で生き残ろうとする意識が徹底しており、歌とダンスに妥協がない」と評価する。韓国でトップの座につけば世界市場で勝負しようとする気持ちが強く表れると、アイドルグループのプロ意識も新韓流ブームの背景に挙げた。

 こうしたなかで生み出された良質のコンテンツは、インターネットやスマートフォン(高機能携帯電話)の普及、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の成長など急変したデジタルメディア環境を基盤に、リアルタイムで全世界に広がった。ネット上に公開されたミュージックビデオ、練習映像、放送出演映像を通じ、海外進出前から、ファンを獲得することができる。

 SMエンタの金代表は、動画投稿サイト「YouTube」「フェースブック」「ツイッター」など世界共通のメディアプラットフォームを通じ、<少女時代>は<ビートルズ>などのポップスターのように、日本進出前から多くの現地ファンを確保したと説明。その結果、2万2000人を動員する大規模ショーケースライブを開き、デビュー2か月でオリコンのシングルランキング1位を記録することができたと話した。

 12月に日本を皮切りに海外進出に乗り出す<2PM>は、新曲のミュージックビデオが「YouTube」で世界最多アクセス数を記録した。アフタースクールらが東南アジアを初めて訪問した最、すでに現地のファンがグループの歌やダンスを知っていたのは、グローバルネットワーキングの力だ。

 アジア圏以外のファンも、K-POP入門ルートに、「YouTube」などのネットワークを挙げる。9月のSMエンタ所属歌手による米ロサンゼルス公演に駆けつけた18歳のスペイン女性は、聯合ニュースの取材に「YouTubeで<SUPER JUNIOR>を知った」と答えている。先月10日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで行われたK-POPのジョイントライブが大盛況となったのも、こうしたネット環境が基盤となったと業界はみている。

 日本では、少女時代を中心とする<KARA>、<Brown Eyed Girls>、<4Minute>ら韓国ガールズグループの大挙進出と成功を、新しい文化現象以上のものと受け止めている。日本女性が韓国ガールズグループのダンス、メイク、ファッションスタイルまでまねている状況を、ただの一時的な流行とはみていない。

 音楽情報誌『ガール・ポップ』元編集長の前田慎二さんは、エンターテインメント以外の分野の日本メディアがこぞって少女時代を取り上げていることが、単なる文化の流れ以上のものとしてとらえていることを裏付けていると指摘した。

 NHKが<少女時代>のショーケースを<プライムタイム>のトップニュースとして報じ、時事週刊誌<AERA>は<少女時代>など韓国ガールズグループの日本進出を、1960年代に<ビートルズ>が米国に進出したことと対比させ「コリアン・インベージョン(韓国の侵攻)」と表現した。経済週刊誌「日経ビジネス」は、韓国の急成長企業と少女時代の類似性を分析した。

 一方、大韓貿易投資振興公社(KOTRA)と韓国コンテンツ振興院が先月22~24日にタイのバンコクで開催した「韓流スターライセンシング商品博覧会」には、タイの若者が大挙詰めかけた。彼らは<少女時代>、<CNBLUE>、<SHINee>らの写真入り化粧品、アクセサリー、Tシャツ、帽子、自転車などの商品に高い関心を示した。

 ある博覧会関係者は、タイの若者はハングルを学び、韓国の企業や商品に好感を示していると伝え、文化輸出が国家イメージの向上や社会、経済的な価値をも創出したと説明した。

 参入障壁の高い中華圏でも、こうした流れは例外ではない。ソニー・ミュージック・アジアによると、K-POPは中華市場で25%のシェアを占めている。これは中華圏では非常に大きな数値で、K-POPの成長が、中華圏での韓国のイメージを向上させたという。

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