韓国の深刻な少子化、国防にも影響か(画像提供:wowkorea)
韓国の深刻な少子化、国防にも影響か(画像提供:wowkorea)
出生数を死亡者数が上回る自然滅が、韓国で大きくなっているという統計が出た。韓国では十数年前から少子化問題に取り組んできたものの改善されずに、少子化が兵役問題にも影響を与えるとの懸念が高まっている。

 韓国の統計庁が23日に発表した「2021年出生・死亡統計」によると、昨年の出生児数は26万500人で、前年度(27万2300人)より4.3%減少したことが分かった。20年前の2001年(55万9934人)と比べると、半分にも及ばない数値だ。また、昨年の出生率は0.81人で前年度(0.84人)より0.03人減少し、出生率の減少が2016年から6年間続いていると、中央日報など複数の韓国メディアが報じた。

 少子化が年々進んでいる韓国では、真っ先に影響を受けるのが国防分野だという意見も出ている。

 24日、ソウル新聞によると、統計庁の部門別人口予測を分析した結果、3年後の2020~25年に兵役義務が生じる20歳男性の人口は、約23万6000人に過ぎないという。2020年の33万4000人と比べて5年間で29.5%、およそ10万人が減少する。それ以降、2035年までは23万人台を保つが、少子化が進み2040年には15万5000人、2045年には12万7000人に急落する。

 イーデイリーの25日付社説では、韓国の少子化問題について、韓国の出生率が、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均値(1.61人)の半分に過ぎず、38加盟国のうち唯一の「0人台国家」だと、憂慮を示している。

 同社説では、韓国政府による長年の努力が実らなかったことについて、今からでも少子化問題に対する長期・短期対応戦略をしっかりと立てるべきだと指摘している。

 韓国政府はこの15年間(2006~2021年)、およそ380兆ウォン(約36兆7000億円)にものぼる莫大な財源を投入して、出生率の引き上げを試みている。しかし、結果的にはこの期間の出生率が1.13人から0.81人に下がり、出生児数は45万人から26万人に減った。

 莫大な財政をつぎ込む現行の少子化対策は、見直す必要がある。長期的な観点で、過度な競争社会を避け、家庭と出産の価値を再認識する社会制度的アプローチが必要だ。
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