北朝鮮、韓国の核武装論を「効果もなく、安保を脅かしかねない」と批判(画像提供:wowkorea)
北朝鮮、韓国の核武装論を「効果もなく、安保を脅かしかねない」と批判(画像提供:wowkorea)
北朝鮮が韓国側のメディアを引用し、韓国の「独自核武装論」に対して、不満を表した。

 北朝鮮の宣伝メディア「メアリ(こだま)」は2日、「韓国のメディアと政治専門家、独自の核武装論についての批評」という見出しの寄稿文で、「最近、米国内で提起されている韓国の独自の核武装論について、韓国のメディアと専門家の間で、非難と批評が相次いでいる」と伝えた。

 同紙は「独自の核武装は危険で効果もなく、安全保障を害する行動」とし、「独自の核武装を試みる場合、核ドミノ現象が起きるだろう。国際社会の制裁によって原子力発電所の稼動が中断され、原油輸入まで遮断されれば経済が破綻し、さまざまな波紋を呼びかねないと非難した」と紹介した。

 続いて「政治専門家の間でも韓国独自の核武装論は全く議論する価値がなく、現実的に不可能で、外交的孤立と安保危機だけを自ら招くことはしてはならないという批評が出ている」と付け加えた。

 北朝鮮は宣伝メディアを使い、韓国側メディアを引用する形で、韓国独自の核武装論を批判したわけだ。

 最近、韓国と米国内で韓国独自の核武装論が取り上げられていることに対する、警戒心を表わしたものと見られる。

 米国では、韓国が核保有を決定する場合、米国がこれを支持すべきだという声が出ており、注目を集めた。

 これに先立ち、ダートマス大学のジェニファー・リンド、ダリル・プレス教授は先月、ワシントンポスト紙に共同寄稿したコラムで、「北朝鮮の核兵器が米本土まで攻撃する可能性がある。そのため、韓国が米国に依存できるか確信できない状況が起こり得る」として、このように主張した。

 韓国でも、党内での大統領候補選出のさなか、野党を中心に核武装論が公然と取り上げられている。

 ホン・ジュンピョ(洪準杓)「国民の力」議員が代表的だ。

 洪議員は、この30年間、北朝鮮の非核化を阻止できず、北朝鮮がすでに核を開発して最終段階まで来ており、核でバランスを取らなければならないと主張している。

 具体的には、米国と北大西洋条約機構(NATO)国家が、核共有協定で戦術核を共同運営するNATO式核共有や、独自に核武装をする必要があると話している。

 同党のユ・スンミン(柳承敏)大統領選候補も、米国の核戦力を米韓共同資産にする、核共有協定の締結を公約として掲げている。

 また、ユン・ソンニョル(尹錫悦)候補は、核武装論には距離を置いているが、国民の安全が脅かされる場合、米国に戦術核再配備と核共有を要求すると明らかにしている。
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