10月26日正午より、東京・六本木アカデミーヒルズにて、日韓合作映画『あなたを忘れない』の完成報告記者会見が行われた。

イ・テソン の最新ニュースまとめ

この『あなたを忘れない』は、2001年1月26日、JR新大久保駅で路線に転落した男性を助けようとして亡くなった韓国人留学生イ・スヒョンさんの実話を基に、夢と恋に生きた青年の短くも美しい半生をフィクションを織り交ぜながら描いた作品。<第19回東京国際映画祭>の特別招待作品に選ばれている。

記者会見には主演のイ・テソンをはじめ、マーキー、金子貴俊、花堂純次監督、三村順一プロデューサー、そしてイ・スヒョンさんのご両親が参席し行われた。また、記者会見の前に行われた舞台挨拶では、映画『あなたを忘れない』の主題歌を歌う人気歌手・槇原敬之が、『光~あなたを忘れない~』を熱唱し、会場は暖かな雰囲気に包み込まれた。


-映画に関して一言お願いします。
三村順一プロデューサー:イ・スヒョンさんの命日が1月26日なんですが、来年2007年で七回忌なんですね。そこで、この映画の公開日を、七回忌の次の日の2007年1月27日にお願いしました。
イ・テソン:主役のイ・スヒョン役ができたことを、非常に光栄に思っております。撮影中、イ・スヒョンさんが空の上からずっと、私たちを助けてくれていたと思っています。多くの方々に見て頂ける機会が設けられましたので、この映画を通して、スヒョンさんの“精神”を、もう1度皆さんに感じていただけるということがとても嬉しいです。
マーキー:先日、釜山国際映画祭に行って来まして、初めて釜山の町のホテルで夕日を見た時に、「スヒョンさんもこの夕日を見て、日本と韓国の架け橋になりたいという夢を抱いていたんだな」と思い、胸が熱くなりました。本当に、この映画はたくさんの人に響くだろうと思います。人から人へ繋がる映画になったら嬉しいです。
金子貴俊:僕が演じた役というのは、プロのミュージシャンを目指す若い青年なんですが、夢を追いかけて頑張ってはいても、すごく甘い部分がある…目的はあるけど、どう努力をしていいのかがわからない、それがかみ合わないと間違えた方向に行ってしまう若者という、最近ちょこちょこと見られる若者を演じさせて頂きました。日韓の若者の違いだけではなく、差別問題だとか、在日の方の話とか、いろんな話題が盛り込まれていて、人として必要なこと、人として考えて生きていかなきゃいけないことがたくさん詰まっています。助け合う気持ち、思いやりも描かれています。イ・スヒョンさんという、素晴らしい勇気ある青年が実際にいたということを、深く感じて頂けたらなと思います。
イ・ソンデ氏(イ・スヒョンさんの父親):日本に来る度に、スヒョンに会えるのではないかと考えてしまいます。スヒョンのことを思って下さる日本の方に会い、いつも慰められて韓国に帰ります。今回、映画でスヒョンに会えて、また彼の足跡を感じることができて、本当に嬉しく思っています。この映画がもう1度、2001年に起こった出来事を思い起こさせ、感動と、心に何か感じるものを伝えられたら嬉しいです。
シン・ユンチャン氏(イ・スヒョンさんの母親):この映画が作られると聞いた時、息子の26年という短い生涯がどのように描かれるのか、心配もしましたが、監督をはじめ多くの方々によって映画が素敵なものになり、私も映画を観て涙しました。今でもスヒョンを愛してくださっている皆さんに、そして関係者の皆さんに感謝します。

-撮影中のエピソードは?
花堂純次監督:富士山の山頂で撮影をしたときに、1日しか撮影のチャンスがなかったんですね。しかも、地元の人に聞いても、この時期は晴れる日が3日に1度あればいいということだったんです。それで早朝から準備していたんですが、ずっと曇っていて…でも、カメラをスタンバイして、30秒だけ晴れ渡った時があったんですね。撮影が終わったとたんにまた曇ってしまって…そういう、不思議なことがありました。
イ・テソン:最後の線路で電車の前に立つシーンで、監督から「何でもいいから言って」と指示され、悩んだんですが、勝手に“ケンチャナ(大丈夫)”と言いました。日本語の意味と少しニュアンスが違うんですが、その言葉が自然と浮かんで来たんです。これは、スヒョンさんが言いたかったことなのではないかと感じました。このシーンを撮る時も、彼の助けを借りていたのだと思います。
花堂純次監督:僕はその最後のシーンのシナリオを作る際、悩んでいたんですね。そんな時に目撃者の方から手紙が来まして、「スヒョンさんは電車の前で両手を広げて、真正面からぶつかった」というんです。それが、直前までわからなかったことだったんですが、ラストでこうしたシーンを撮ることができたのも、スヒョンさんが見ていたからではないかと思いますね。
マーキー:名古屋で、夕日を目の前にして撮ったシーンで、龍の形をした雲が現れたんですね。その時に、スヒョンさんが絶対に見てくれていると思ったので、その景色も皆さんの中に残ってくれたらなと思います。
金子貴俊:初めてテソン君に会ったときなんですが、テソン君は『ウォーターボーイズ』を観ていてくれたみたいで、僕は日本でも疑われていますが韓国でも疑われているらしくて…(会場爆笑)。それが1番最初に現場で起こったエピソードです(笑)。あと、僕はすごく疲れやすい体質なんですけれども、撮影中は本当に疲れを感じなくて…ドラムを叩く役だったので、練習をしながら撮影に臨んでいたのですが、現場に行くと不思議と笑顔になって「僕ってこんなに体力あったかな?」と、自分でもびっくりするほどパワーがあったんですね。そのパワーっていうのは、皆さんやスヒョンさんから頂いてる、暖かいパワーなんだというのをすごく感じて、それも芝居に反映されているんじゃないかと思います。この作品で「僕ってこんなに男らしかったかな」と自画自賛してしまいます(笑)。“わからない力”ってあるんだなと感じました。急に、東京国際映画祭と釜山国際映画祭、両方で上映されることが決まったり…世の中が大好きになってきました(会場爆笑)。

映画『あなたを忘れない』は、2007年1月27日に日本公開予定。



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