キム・アジュン=17日、ソウル(聯合ニュース)
キム・アジュン=17日、ソウル(聯合ニュース)
「命の大切さ、希望の夢をあきらめないことの重要さが分かりました」――。
 犯罪に隠された真実を解き明かす法医学者の活躍を描いたドラマ「サイン」で、新米法医学者のコ・ダギョンを演じたキム・アジュンが、ドラマを終えた心境を語った。

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 新しい韓国メディカル捜査ドラマとして人気を博したこのドラマで、キム・アジュンは、まさに体を張った。集中力が求められる解剖のシーンや、さまざまな感情を表現する演技を見せた。最終回は放送1時間前まで撮影があり、翌朝は起き上がれず、栄養注射を受け2日間休み、ようやく体を動かすことができたという。

 センシティブで難しい素材を扱い、韓国ドラマの未開拓地を切り開いた作品だったと、キム・アジュンは評価する。「危険要素がある素材でしたが、本筋からぶれず、無事に終わって何よりです」と充実した顔だ。このドラマを通じ、否定的だった法医学者と解剖に対するイメージが改善されたこともうれしいと話す。

 しっかりしたストーリー、さまざまなエピソード、俳優の熱演が功を奏しヒットしたドラマだが、解剖シーンの撮影に手間取り、脚本の完成が遅れ、最終回では音声が出なかったり画面が映らない放送事故が発生した。「とても残念で、視聴者に申し訳ない」と謝罪するキム・アジュンだが、スタッフ全員が最後まで一生懸命に撮影に取り組んだと語気を強めた。
 「日常的な場面を演じたのは全20話中、ワンシーンだけでした。それだけ大変なシーンばかり。第18話も放送1時間前に放送用のテープを渡したほどです。最終回も放送1時間まで、撮影分を編集室に渡しながら撮影を続けていました。それでも最後のシーンは放送に反映されず、気に入ったシーンだっただけに残念です」。

 撮影は緊迫した状況が続いたが、コ・ダギョンを演じるのは楽しかったという。特に、初めて挑戦した捜査が面白かったと振り返った。事件の糸口を探しながら解決していくプロセスが興味深く、一つの事件が解決すればコ・ダギョンのように自分もほっとした。しかし、またすぐに別の事件が発生するため、気を緩めることができない。集中力を維持しなければならず、事件の流れにあわせ、感情を移入することが難しかった。「ほかの作品の倍以上のエネルギーが必要でした」と振り返る。

 撮影に入る前、実際の解剖に3回立ち会った。厳粛な雰囲気に圧倒され、驚く余裕もなかった。そうした解剖のようすを演じる際は、芸術的な面を強調するのではなく、死者からの伝言を聞く時間だと考え、かつてないほど慎重に芝居をした。ユン・ジフン(パク・シニャン)を解剖する際には感情を押し殺し、遺体に残された「サイン」を見つけるようとするコ・ダギョンの切なる思いをうまく表現しようと努力した。
 キム・アジュンは先月、高麗大学言論大学院で修士学位を取得した。博士学位を目指すことも考えている。「大変なことですが、学べば学ぶほど面白く、欲が出ます」と意欲的だ。撮影現場と理論で学んだものを、うまく調和ささせたいと考える。とはいえ、しばらくは作品の勉強に専念するつもりだ。「より多くの作品に挑戦したい。これからもこつこつと演技をしていきたいです」。

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