イ・ボヨン=6日、ソウル(聯合ニュース)
イ・ボヨン=6日、ソウル(聯合ニュース)
映画『悲しみよりもっと悲しい物語』は、突拍子がなく非現実的なストーリーだ。家族をなくした男子高校生の前に、これまた身寄りのない女子高校生が現れ、「君1人で住むには家が大きすぎない?わたしが一緒に住んであげようか」と言い出す。そうして2人は親友で恋人、家族として暮らす。こうした普通でない状況も、目をくりくりさせ突飛のないせりふをぽんぽん飛ばすヒロイン役のイ・ボヨンを見ていると、ある程度納得がいく。それほど彼女が生み出したキャラクターははつらつとして自然だ。

イ・ボヨン の最新ニュースまとめ

 映画封切りを控えたインタビューで、イ・ボヨンはこの役を典型的な悲劇のヒロインではないと言い、現実感を生かすためにかなり力を抜いて演じたと説明した。「観客の共感を得るために役者がすべきことは多かった。力を相当抜いたんです。笑い声にせりふが飲まれてしまったとしても、本当だと感じてもらえるようにした」。これまでせりふをはっきり言いすぎると指摘されたことがあったが、今回は飲み込むように話そうとした。そのように演じるうちに「ほどける楽しみ」を感じたという。

 映画はメロドラマだが、一つ屋根の下で起こる愉快なエピソードを描いたシーンも多く、恋人役で共演したクォン・サンウとのエピソードまでもコメディーに近かった。茶目っ気の多いクォン・サンウに本気でむっとしてしまうこともあったと、笑いながら明かした。

 清純で女らしい姿からまずコマーシャルで人気を集めたが、彼女の魅力は、迷いなく率直で軽快なキャラクターを演じた時にこそ輝く。口下手ながらも愛の前ではしんの強さと勇気を見せたドラマ『ミスターグッバイ』、日本植民地期に宝を求め詐欺師と競い合う泥棒を演じた『ワンス・アポン・ア・タイム』などがそうだった。

 しばらくおとなしいイメージにしばられ息が詰まったのではないかとの質問を投げかけると、それほどおとなしい役ばかりでもとなかったと手を振った。実は正統派のメロドラマは、感情がどれほど深く濃くなければならないのかがよく分からなくて苦手だ。それに突き詰めてみると、おとなしい役を演じたことはさほどなく、時代劇ドラマ『薯童謡(ソドンヨ)』では相当なはねっかえり、映画の役柄もそれ以上だった。

 ドラマでは主演を何度か演じてきたイ・ボヨン。映画女優としてもこの数年で可能性を見せ始めている。今作品はウォン・テヨン監督と対話しながらキャラクターを練り上げる映画で意味があったという。『マイ・ブラザー』『卑劣な街』は実際のところ男性の映画に自分が混じった映画だった。「うまく演じなければと決心したのは『ワンス・アポン・ア・タイム』から。『わたしは幸せです』ではユン・ジョンチャン監督に演技の基礎から鍛えてもらい、『悲しみよりもっと悲しい物語』は最初から積極的に取り組みともに作り上げた映画だ」。

 次の作品は未定だが、個人的には今回の映画がうまくいき幅広い役柄のオファーがくることを願う。「”イ・ボヨンもこんなことができる”と思われるようなキャラクターを演じてみたい」。
Copyright 2009(C)YONHAPNEWS. All rights reserved. 0