朴氏の大統領罷免を決めた憲法裁=10日、ソウル(聯合ニュース)
朴氏の大統領罷免を決めた憲法裁=10日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国憲法裁判所は10日、裁判官8人全員の賛成で朴槿恵(パク・クネ)大統領の罷免を認める決定を言い渡した。 現職大統領の弾劾審判は2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)氏に続き2回目だが、罷免されるのは韓国史上初めて。 憲法裁の決定は宣告と同時に効力が発生し、職務停止状態の朴大統領は任期を全うできず、大統領職から退くことになった。 大統領職は当分の間、黄教安(ファン・ギョアン)首相が権限代行を務め、次期大統領選は5月初旬に実施されることが確実視される。 憲法裁所長代行の李貞美(イ・ジョンミ)裁判官は14年の旅客船「セウォル号」沈没事故当日の朴氏の動静がはっきりしない「空白の7時間」の疑惑について、「事故は残酷極まりないものだったが、当日に大統領が職責を誠実に遂行したかどうかは弾劾審判手続きの判断対象ではない」と述べた。 だが、最も重要な事案で憲法と法律に反する重大な法の違反があったと指摘。朴氏が親友の崔順実(チェ・スンシル)被告の国政介入を認め、大統領としての権限を乱用したとした。 李裁判官は「大統領に報告された書類は(秘書官の)チョン・ホソンが各種の人事資料、閣議の資料、大統領(海外)歴訪資料など、公務上の機密が盛り込まれている資料を崔順実に渡した」として、「チェ・ソウォン(崔被告の改名後の名前)はこれを見て、内容を修正したり被請求人(朴氏)の日程を調整したりするなど、職務活動に関与した」と認めた。 また、「チェ・ソウォンは公職候補者を推薦したこともあるが、その一部は利権追求を手助けした」と述べた。 崔被告が実質支配した「ミル財団」と「Kスポーツ財団」の設立に関しても、大企業から486億ウォン(約48億円)の拠出を受け、両財団を設立したが、職員の任命や資金執行など運営に関する意思執行は大統領と崔被告が行い、財団に拠出した企業は関与できなかったと説明した。 その上で、「憲法は公務員を国民全体への奉仕者と規定している」として、「大統領の行為はチェ・ソウォンの私益のため、大統領の地位と権限を乱用したとみなさなければならない」とした。 また、「大統領は憲法と法律にのっとって権限を行使しなければならず、公務遂行は透明に公開し、評価を受けなければならない」として、朴氏が崔被告の国政介入の事実を徹底的に隠し、疑惑が提起されるたびに否認してむしろ疑惑提起を非難したと指摘した。 李裁判官は「大統領はミル・Kスポーツ(財団)設立など、チェ・ソウォンの私益追求のために支援し、憲法・法律の違反行為は在任期間中、持続的に行われた」と述べた。 その上で、「その結果、大統領の指示に従った安鍾範(アン・ジョンボム、前政策調整首席秘書官)、金鍾(キム・ジョン、前文化体育観光部第2次官)、チョン・ホソン(前秘書官)らが不正犯罪容疑で逮捕され、被請求人の違憲、違法行為は代議民主制の原理と法治主義の精神に反する」と断じた。 また、「一連の言動をみると、法の違反行為が繰り返され、憲法を守る意志がみられない」として、「結局、大統領の違憲、違法行為は国民の信任を裏切ったもので、憲法守護の観点から容認できない重大な行為とみなさなければならない」と結論付けた。
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