【ソウル聯合ニュース】韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスに最初に感染した患者を治療し、自身も5番目の感染者となったソウル市内の病院の院長が8日、MERS感染者を出した病院名の公開について、公開は絶対に必要との考えを示した。 MERSが完治し韓国で2人目の退院者となった院長は、病院名の公開により、病院運営に悪影響があっても、MERS感染者を出した病院名の公開はすべきと強調した。 最初の感染者はソウル近郊の平沢聖母病院(京畿道平沢市)に入院していたが、症状が良くならず、同院長が運営する病院を訪れた。 院長は最初の感染者の状態について、「コンディションがとても悪く、レントゲン写真を撮り、10分以上診察した」と説明した。だが状態が悪く、サムスンソウル病院に送るしかなかったという。 院長は最初の感染者がMERSに感染していると考えることができなかった。保健当局などからMERSに関する情報を提供されたこともなく、MERSという感染病についても知識がなかったと説明した。 院長は「MERSというものに対して無知だったことは私たちの問題だった」とした上で、最初の感染者に対し、適切な措置を取ることができなかった点を認めた。 また「(MERSに関連する)すべての病院が明らかになったので、該当の病院と直接・間接的に関連があり、症状が出れば、保健当局にすぐに連絡して検査することができる」と指摘。病院名公開の利点を説明し、隔離対象者などは保健当局に届け出るべきと主張した。 また院長は「私の経験から、基礎疾患がなければ、MERSはわが国の医療スタッフの水準が高いため治療できる」として、過度な懸念は必要ないと説明した。 また、「体の痛みよりも、隔離病床でスマートフォンなどにより外部の情報に接し、(自分の)病院に対するデマについて、釈明できないことがつらかった」と伝えた。 院長が感染後に診療を行っていたというデマが流れたことについて、「感染確定の判定を受けてすぐに隔離病床に来たのに、診療ができるはずがない」と説明した。 自身の病院については「(来院する)患者のために院内だけでなく病院の建物全体を消毒したと聞いている」とした上で、「来週ぐらいから病院を開く計画だが、患者が来るかわからない」と話した。 yugiri@yna.co.kr
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