【ソウル27日聯合ニュース】国家人権委員会の最高意思決定機関・全員委員会は25日、軍隊での同性愛者に対する処罰を定めている軍刑法第92条が同性愛者の平等権と性的自己決定権、私生活の秘密と自由を侵害し、罪刑法定主義などに反するという趣旨の意見を憲法裁判所に表明することを議決した。国家人権委員会が27日に明らかにした。
 すでに憲法裁判所に違憲審査を要請しており、今後、軍の同性愛者に対する処罰をめぐる議論が再び激化する見通しだ。
 今回の人権委の決定は、軍の性的少数者を支援する市民団体が5月に軍刑法第92条の違憲性の検討を要請したことによる。同案件を検討した結果、同性愛が戦闘力や軍の規律、結束力の低下とは直接的な関連性がなく、軍刑法による刑事処罰は性的志向を理由にした平等権の侵害であり、時代の流れにも逆行すると判断した。
 人権委によると、2004~2007年に同法が適用されたケースは計176件で、このうち、双方の合意に基づく同性愛行為4件のうち3件は刑事処罰され、1件は起訴猶予処分となった。
 人権委は、外国でも軍の同性愛者が刑事処罰を受けたケースはなく、カナダ、オーストラリア、イスラエルなどでは自ら同性愛者と公言しても入隊が認められると説明した。
 国防部関係者は「韓国は徴兵制を施行している上、階級間の上下関係があるため、やむを得ず(同性愛行為に)合意するケースもあるとみられる。韓国の慣習や規範から考えると、常識的に軍刑法第92条は必要だ」と述べ、人権委の議決に否定的な考えを示した。人権委が外国の例を挙げ、韓国に同様の基準を適用するのは適切ではないと主張している。

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